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形が見え始めた日本版「工場と工場をつなぐ」インターネットの世界

自動車メーカーがけん引しWG活動で成果。標準化へ2年目が正念場に
形が見え始めた日本版「工場と工場をつなぐ」インターネットの世界

表示器をウェブカメラで撮影しデータ化(NECなど7社=IVI提供)


西岡靖之IVI理事長に聞く「ワクワクするような内容に満ちている」


 ―初年度をどう評価していますか。
 「各WGの活動は驚くほど濃いものになった。(実証実験は)これからのモノづくりを引っ張るワクワクするような内容に満ちている。ただ、実用化にはまだまだ課題が多くあり、今後の活動が重要になる」

 ―16年度には幾つかの「標準プラットフォーム」を策定する方針です。
 「IVIのプラットフォームとは、実証実験で検証した業務シナリオにICTツールを実装するための“ひな型”のようなもの。昨今ICT関連の企業がプラットフォームを提案することは多いが、現場側から要求仕様を打ち出すことは今後製造業が発展を目指す上で重要だと思う。また、WGによる業務シナリオの検証は16年度も並行して行い、シナリオのバリエーションを増やしていく」

 ―活動範囲をどう広げていきますか。
 「まず地方に所在する企業にもっと参画してもらいたい。16年度は、各地の企業にIVIの活動を体験してもらえるようなワークショップを開催する。地方自治体や外郭団体などとも協力し、ビジネス支援につながるような活動にしたい」
(文=清水信彦、藤崎竜介)

清水信彦
清水信彦 Shimizu Nobuhiko 福山支局 支局長
IVIの特徴はユーザー企業が主体となっていること。特にトヨタ、日産、ホンダ、マツダと自動車メーカーが加わっているのは強い。 そして対象としているのはFAシステムではなく、より上位の情報システムの領域。よりFA側、フィールド側の話で標準化を進めていると想って参加して、ちょっと当てが外れた企業もあるようだ。 20のWGが取り組んだテーマは、重なったりバラバラだったり、まちまち。これをどうまとめて、脱落者を出さずに盛り上げて、そして日本発標準化みたいなものを打ち出していくか。二年目の取り組みは、なかなか大変そうではあります。

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