「究極のPC代替マシン」9.7インチiPad ProでiPad底上げなるか

4インチのiPhone SEと同じ、24日注文開始・31日発売

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9.7インチiPad Proとティム・クックCEO(キーノート映像から)
 日本時間で22日午前2時に始まったアップルのスペシャルイベント。わずか1時間の間に、4インチのiPhone SEはじめ、Apple Watchの新色バンド、9.7インチのiPad Pro、iOS9.3などさまざまな新製品や社会貢献の取り組みなどがお披露目されたが、新製品の発表内容はほとんど事前の予想通り。正直言って、驚きはあまりない。

 とはいえ、その中で最も印象に残ったのは「究極のPC代替機」(マーケティング担当のフィル・シラー上級副社長)と位置づけた9.7インチiPad Proか。高い処理性能に加え、別売の「スマートキーボード」や「アップルペンシル」を使ったクリエイティブな入力デバイスとしての優位性もアピール。ウィンドウズPCの置き換え需要を狙い、売れ行きが減速気味のiPadの底上げにつなげるアップルの強い意図が見て取れた。
 
 「(12.9インチの)iPad Proが昨年秋に登場し、われわれは大きな一歩を記した。それ以来、多くの人が一番のコンピューティングデバイスだと言っている」。ティム・クックCEOはiPad Proがいかに優れた製品であるか、キーノートでこう言い放った。

 初代iPadとなる9.7インチモデルは2011年に登場。今回の発表によれば、それ以来、世界で2億台以上の9.7インチiPadが出荷されているという。だが、このところiPadの減速ぶりが際立っている。iPhoneに比べて買い替えのサイクルが長いのに加え、iPhoneも含めスマートフォンが大型化し、大画面というタブレットの優位性が揺らいできたのだ。さらに、ウィンドウズPCのビジネスユーザー中心に、マイクロソフトの「サーフェス」人気が高まっているという背景もあるのだろう。

 タブレット市場を切り開いたアップルとしては、そうした状況を打開したい思いはことのほか強いはず。そのため、今回のイベントでは演算性能がこれまでの2倍のA9Xプロセッサーを備えた9.7インチのiPad Proについて、1ポンド(約450グラム)を切る軽量さ、映り込みが少ない低反射ディスプレー、幅広い色表現、周囲の色温度をセンシングし、それにマッチするよう色表現を変えるトゥルートーンディスプレー(TruToneDisplay)、4スピーカーなど、これでもかというぐらい先進的な特徴を数多く盛り込んでみせた。

 そのほか、「ヘイ、シリ」と呼びかけるだけで音声アシスタントのSiriが立ち上がる”Hey- Siri”機能や、自撮りの時に画面全体が光ってフラッシュの代わりをするRetinaフラッシュ、100万種類以上もの充実したアプリなども強調した。さらに、純正の周辺機器として、USBカメラアダプターとSDカードリーダーも発表している。

 新型iPad Proの米国での販売価格は32GBモデルが599ドル、128GBが749ドル、新たに設定した256GBモデルは899ドル(いずれもWiFiモデル)。色はシルバー、ブラック、スペースグレイ、それに新色のローズゴールドの4色。新型iPhoneおよびiPad Proは3月24日に注文受付を開始し、31日に発売する。

 これでiPadラインは大きく分けて、mini/ Air2/ Pro (9.7インチ)/ Pro (12.9インチ)の4製品が揃うわけだが、次の関心は、高性能のiPad Proが7.9インチサイズのminiでも設定されるのかという点。ただ、構造上、小さな筐体に4スピーカーを内蔵させるのは難しそう。それでもiPadでアップルがどういう製品戦略を繰り出すか、今後に注目だ。

【スペシャルイベントの映像(iPad Proは43:00ごろから)】

ニュースイッチオリジナル

COMMENT

藤元正
モノづくり日本会議実行委員会

究極のPC代替というからには、ラップトップ型のMacBookの販売に影響が出るのでは、という見方が当然あるだろう。クックCEOは以前、PCとはあくまでウィンドウズPCのことでMacBookは別物と断っているが(http://newswitch.jp/p/2676)、そうは言っても、一部でラップトップとカニバる事態も当然出てくるのではないか。

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