アップルのクックCEO、株主総会での質問にEV開発認める?微妙な回答

対FBIのiPhoneロック解除拒否には株主賛同

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CarPlay(アップルのウェブサイトから)
 アップルが開発中と言われる電気自動車(EV)の「アップルカー」。同社のティム・クックCEOは2月26日にカリフォルニア州クパティーノの本社で開かれた株主総会で、株主から出された自動車開発についての質問に、こう切り返したという。「子供の頃のクリスマスイブを覚えていますか。上の階にいて下で何が行われようとしているのか分からなかったけれど、とてもわくわくした。しばらくはそうしたクリスマスイブのようなことになる」。はっきり言って意味不明だが、EV開発の事実を認めたとも思える微妙な言い回しだ。

 ネットメディアのビジネス・インサイダーが報じた。アップルは自動車開発の事実を公式には認めていないが、クックCEOの発言は、EVの完成が「クリスマス」に当たり、そこに向かう現在の開発期間を「クリスマスイブ」という比喩で表現したのかもしれない。ただ、アップルから社員の引き抜きを受けているテスラ・モーターズのイーロン・マスクCEOは、アップルの自動車開発について、シリコンバレーでは「公然の秘密」と発言している。

 実は、1年前の株主総会でも、株主から自動車プロジェクトについての質問があり、テスラを買収すべきだとの提案を受けた。その際、クックCEOは自動車関連ではカープレイ(CarPlay)に力を入れていて、アップルとテスラは何の関係もないと答えている。

 一方で、個人のプライバシー保護を理由に、テロリストのiPhoneのロック解除を同社に求めるFBIと対立している問題については、株主が賛同の意を表明。うち市民権活動家で1984年と88年の大統領選に出馬したこともある牧師のジェシー・ジャクソン師は、クックCEOを「高潔で気骨のある人」と称えた上で、「FBIはマーティン・ルーサー・キング牧師や市民権擁護団体、黒人活動家をかつて盗聴した。我々は二度と同じような道を歩むわけにはいかない」と擁護した。

 今回発表した2015年の財務報告では、研究開発に85億ドルを投資し、19社を買収したとUSAトゥデイが伝えている。さらに、クックCEOは、現在建設中の新本社には2017年1月から順次、社員が移動し、来年の株主総会はおそらく(UFO型の巨大な)新キャンパスで開催することになると話した。

ニュースイッチオリジナル

COMMENT

藤元正
モノづくり日本会議実行委員会

iPhoneのロック解除は大統領選に共和党から出馬するトランプ候補がプレッシャーをかけるなど、米国で大きな政治・社会問題となっている。ユーザーにとってはプライバシーを保護してほしい反面、凶悪事件の犯罪捜査も重要。悩ましい問題だ。これとはまったく異なるが、アップルのユーザー情報保護は徹底している。グーグルの自動車向けOS「グーグル・オート(Google Auto)」がユーザーおよび運転に関する属性情報をビッグデータとして吸い上げ、十二分に活用するのに対し、CarPlayはユーザー情報をタグ付けしない。そのため、自動車メーカーの間ではCarPlayがより評価されているとの話もある。

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