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千葉大学が来年度開設、「情報・データサイエンス学部」の中身と強み

千葉大学が来年度開設、「情報・データサイエンス学部」の中身と強み

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千葉大学は2024年度に「情報・データサイエンス(DS)学部」を設置する。既存の工学部総合工学科情報工学コースを基盤に再編する。2コース制で入学定員は計100人。大学院後期3年博士課程の「情報・DS学府」も開設する。入学定員は10人。近年、産業界や官公庁でDS人材へのニーズが高まっており、DS学部を新設する大学が増えている。同大は国立の総合大学であり、安価な学費や全学生を対象とした留学制度との連動が強みになると見ている。

千葉大が設置構想中の情報・DS学部情報・DS学科は、3年次に2コースに分かれる。「DSコース」は社会課題解決に取り組む実践的DS人材を育成する。「情報工学コース」はDSとデータエンジニアリングに関するスキルの向上に重点を置く。

大学院の情報・DS学府情報・DS専攻は、融合理工学府の数学情報科学専攻情報科学コースと創成工学専攻イメージング科学コースの博士後期課程を基に発足する。データエンジニアリング力や高度な研究・イノベーション力を持つ人材を養成する。

同大は現在、学部に関わらず学べる副専攻制度「数理・DS教育プログラム」を全学を対象に展開している。学生は各学部の専門科目とDSの知見を組み合わせ、横断的な力を身に付ける。23年度の関連プログラム修了者数は70人程度の見込みだ。

日刊工業新聞 2023年月4月24日
山本佳世子
山本佳世子 Yamamoto Kayoko 編集局科学技術部 論説委員兼編集委員
政府が推進する理工系の人材育成は、「グリーン・デジタルの強化」と「理系女子学生増」が柱だ。データサイエンスは文理融合の面があるため、他の理工系分野よりも女子生徒を引きつけやすく、「デジタル&理系女子」の双方を後押しするテーマだ。千葉大の場合は総合大学(サークルなどで一緒になる文系女子の友達もできる)で首都圏(1都3県に住む女子生徒と親は、首都圏大学への進学志向がある)、全学生を対象とした留学制度を持つ(女子学生は男子学生より、英会話や留学に関心が高い傾向がある)といった点が、他大学のDS学部とは違う強みとなり、特に女子を引きつけるのではないかと感じている。

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