10年後のロボット市場14兆円以上に、英調査会社が予測

自分で動ける「モバイルロボット」急速に普及

 10年後の2026年にロボットの市場規模が1230億ドル(約14兆8000億円)に達するという市場予測を英国の技術調査会社がまとめた。現在の市場規模は250億ドル、産業用ロボットだけでも約110億ドルと見積もられているが、今後、産業用以外にロボットの用途が急速に広がり、市場が5倍程度に伸びるとしている。

 ロンドンを拠点とする英IDTechExがまとめた「ロボティクス2016-2026」という調査報告書によれば、バッテリーをはじめとして、モーター、センサー、プロセッサー、人工知能(AI)などの技術革新に伴い、従来の産業用ロボットでは難しかったさまざまな課題解決にロボットが使われるようになるという。

 その上で、これまでは工場などに据え付けられた固定型のロボットが主体だったのに対し、地上や水中、あるいは空中をセンサーとコンピューターを使って自律的に移動する「モバイルロボット」が大きなトレンドになるとした。

 モバイルロボットでは例えば、無人の自律作業車が鉱山や採石場で自動で採掘作業を行い、採掘物を運搬したり、自動運転トラックが高速道路を走って商品を配送したりする用途を想定。さらに数百万人に対し空からインターネット接続を可能にするドローンのほか、海底資源探査や沿岸警備隊による遭難者探索・救命に海中・海上ロボットが使われるようになる。

 一方で、産業用ロボットの成長は緩やかになるものの、こうした移動しない固定型ロボットの中でも手術ロボットなどは引き続き進展が見込まれる。また、高齢化に伴って、製造分野での人間の作業をロボットで代替する動きが進むのはもちろん、足や腕など体の一部をロボットに置き換えたり、家事をサービスロボットに手伝ってもらったりする需要も増えるという。

 さらに、成長が期待できるのが教育分野。世界的に科学技術・工学・数学(STEM)教育が脚光を浴びていることから、ロボット教材が学校での教育やホビー用に広がると見ている。しかも、これまで高価だった高性能ロボットについても、ハンドなど部位ごとのユニットや部品を相互につなげて動作できるモジュール化が進む。それらが東アジア地域で大量生産され、値段が安くなっていくことも、教育・個人向けの市場拡大を後押しするとしている。

日刊工業新聞2016年1月20日 ロボット面の記事に加筆
「Robotics 2016-2026」のページ

藤元 正

藤元 正
01月31日
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宣伝になってしまいますが、この調査会社では2月29日から3月2日まで東京・秋葉原で「ビジネス&テクノロジーインサイトフォーラム 東京2016」という有料イベントを開くそうです(使用言語は英語)。IoT、蓄電池、ウエアラブルほか、29日午後にはロボットのセッションが予定されていて、市場予測の詳細も説明されるようです。
http://www.idtechex.com/forum-japan/session2.ja.asp

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