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勢いづく「Zoom」…テレワーク普及で進む“電話改革”の行方

勢いづく「Zoom」…テレワーク普及で進む“電話改革”の行方

テレワーク普及に伴い、電話の仕組みを見直す企業が増えている(Zoom Phoneの活用イメージ)

テレワークの普及に伴って、電話を中心とする業務上のコミュニケーションに変革の波が押し寄せている。従業員の働く場所が自宅やサテライト拠点へと広がり、オフィスを縮小・移転する企業が増加。コスト削減やスマートフォンの活用促進なども見据え、構内交換機(PBX)をオンプレミス(自社保有)からクラウドに乗り換える動きが加速する。焦点は“電話改革”を通した生産性向上と働き方の見直しだ。(編集委員・斉藤実)

企業が使う電話システムは現在、IP(インターネットプロトコル)―PBXが中心だ。IP―PBXは従来型の専用機のほか、サーバーなどにインストール(移植)するソフトウエアPBX、サービス型のクラウドPBXがある。

クラウドPBXやソフトウエアPBXはインターネットを介して異なるオフィスにある固定電話やパソコンなどをつなぎ、外線と内線を共有する。従業員が持つスマホやパソコン(PC)を内線電話として使えるため、代表電話にかかってきた外線を自宅からでもスマホやPCで受けられる。資産を所有せずに済むクラウドPBXは初期費用が安く、運用もしやすいため、企業のオフィス縮小を機に需要が伸びている。

もう一つの変革の波は、会員制交流サイト(SNS)など多様なコミュニケーションツールの台頭だ。社員同士の意思疎通はかつては内線電話が主体だったが、いまや対話アプリケーション「LINE」や米マイクロソフトの対話ツール「チームズ」などを用いてチャットでやり取りすることが増えている。

こうした状況で勢いづくのは、米ズーム・ビデオ・コミュニケーションズ。ウェブ会議サービス「Zoom」はテレワークに欠かせず、多くの人が親しんでいる。この利点を生かし、ズームは企業向け音声クラウドサービス「Zoom Phone」を2021年に投入。国内でのZoom Phone販売代理店は10社にのぼる。

離れた場所にいる同僚とも円滑な意思疎通が求められる

コロナ禍以前からズームと代理店契約を結んでいるNECネッツエスアイ(NESIC)は、Zoom Phoneの販売でも先行。新サービスの地域固定電話番号「0ABJ」の提供でも一番乗りを果たした。

新サービスではZoom Phoneを用いてスマホなどで電話をかけた際、相手先に「03」や「06」などの地域番号が表示される。些細な機能にも思えるが、「セールス電話の際は携帯番号よりも地域番号の方が信用力があり、有効だ」(NESIC)。

電話は日本の商習慣に根付いているものの、コロナ禍を機に変革は待ったなしの状況。「電話の利用状況を見える化することで、使っていない固定電話などの無駄が分かり、部門ごとの働き方も見えてくる」(同)。電話改革によって、オフィスとリモートを組み合わせた新しい働き方が見えてきそうだ。

日刊工業新聞 2022年10月13日

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