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ドローン画像×AIでインフラの不具合を迅速に検出する

ドローン画像×AIでインフラの不具合を迅速に検出する

ドローンで撮影した太陽光パネルの異常をAIで検出する「Drone View」

mmガード(東京都中央区、鈴木和清社長)は、太陽光パネルやガス製造設備、橋梁など、広域な点検が必要なインフラ設備を、飛行ロボット(ドローン)で撮影し、画像データを人工知能(AI)で解析して、不具合箇所を迅速に検出する事業「Drone View」を始めた。既存システムより短時間で異常を検出できるという。ドローンとAI解析ソフト、ドローン操縦者などをセットで提供し、点検業務の効率化に貢献する。

高所や斜面など人が行きづらいインフラ点検へのドローン活用は普及が進みつつある。しかし、ドローンに搭載した画像データをリアルタイムで見続ける作業は負担が大きく、異常を見逃す心配もあった。

mmガードは画像から異常箇所を検出する仕組みをAIで行うことで、作業者の負担軽減と確実な検出を実現させるシステムを開発した。鈴木社長は米IBM研究所出身、最高技術責任者(CTO)のバルア・ビジョイ氏はベンチャービジネスの経営者として、両者ともAI技術に精通している。

同社が採用したのは、AIの中でも「教師なし学習」と言われるもの。「教師あり学習」は事前に数万枚レベルの画像データをAIに読み込ませる必要があり、実装作業に膨大な時間が必要になる。これに対して教師なし学習は1000枚程度で済む。数回ドローンを飛行させるだけで学習用データの収集が完了でき、撮影後数週間でAIシステムが完成する。

太陽光パネルの点検にAIを利用する場合、光の当たり方で画像の写り方が変わっても、異常箇所を適切に検出できるようになる。

同社はメガソーラー事業者のウエストホールディングス(HD)と共同でパネル点検の共同検証作業を実施。赤外線カメラをドローンに搭載して地上からの点検では発見が困難だった、局所的な発熱を検出するなど、効果を確認した。また、ガス検知カメラを搭載して、ガス漏れを発見することもできた。

コストはAIのモデル開発が100万円から、初期学習料が20万円から、月額利用料は5万円からなど、既存のAI利用システムより安価に設定した。

鈴木社長は「AIに独自のアルゴリズムを採用することで、精度が高い検出を低コストでできるようになった。ドローンの操縦スキルを持つ人材もおり、顧客の要望に迅速に対応する態勢を整備している」と言い、10月から本格的な営業活用を展開する計画。(赤穂啓子)

日刊工業新聞2022年9月23日

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