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改良地盤の強度が30分で分かる、清水建設が開発した技術の効果

改良地盤の強度が30分で分かる、清水建設が開発した技術の効果

セメント量が十分な場合はpH測定器が示す値が8.0を超える

清水建設はセメント系固化材を使った地盤改良工事で、化学的手法により施工後の強度を30分程度で判定する技術「C―QUIC」を開発した。セメントのアルカリ成分と酸の中和反応を利用し、施工直後に採取した未固結状態のソイルセメントに含まれるセメント量を推定する。これにより改良地盤が固化する前に施工の良否を判断できるため、施工不良に伴う再施工や工程の遅延を減らせる。

C―QUICでは、ソイルセメントに酸性の試薬を混ぜて水素イオン濃度指数(pH)を測定。セメント量を判定することで、固化が進んだ材齢28日時点の強度を推定する。

試薬を混合し30分程度が経過した段階で、試料のpHがアルカリ性を維持していた場合は、改良地盤に設計基準強度を満たす十分なセメントが含有されていると判定する。

清水建設は化学的手法によるソイルセメントの強度判定技術として、2018年にセメント系改良地盤よりも高い強度が求められる高支持力杭の根固め部ソイルセメントを対象とした「CW―QUIC」を開発・実用化。すでに300件以上で適用されている。

今後はC―QUICと併せて現場適用を加速し、外販も視野に入れる。

日刊工業新聞2022年10月3日

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