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グーグルのAI研究者による「ディープラーニング」無料教育コースがスタート

1週間6時間で3カ月間、MOOCのユダシティー通じて提供
グーグルのAI研究者による「ディープラーニング」無料教育コースがスタート

ディープラーニングを説明するインストラクターのヴァンホウク博士(講座のユーチューブ映像から)

 ディープラーニング(深層学習)が無料で学べます! 米グーグルは、脚光を浴びる深層学習をテーマにした3カ月間の無料オンラインコースを始めた。教育サービスをインターネット経由で提供する大規模公開オンライン講座(MOOC=ムーク)の一つで、グーグルやフェイスブックといったテクノロジー企業と協力して講座を提供し、ネット上の「シリコンバレーの大学」とも言われる米ユダシティー(Udacity)上で提供される。世界中どこからでも英語で受講できる。

 すでにグーグルは、深層学習ソフトの「テンソルフロー(TensorFlow)」を2015年11月にオープンソース化し、無償提供に踏み切っている。こうした一連の活動で、深層学習の知識や考え方を広く行き渡らせるのが目的という。

 このコースは初心者向けではなく、エンジニアやデータサイエンティストなどの中上級者向け。インストラクターはグーグルの主席科学者で、「グーグル・ブレインチーム」でマシンラーニング(機械学習)や人工知能(AI)を研究するヴィンセント・ヴァンホウク(Vincent Vanhoucke)博士が務める。受講者は1週間当たり6時間の学習により、深層学習の理解や、単純なニューラルネットワーク(神経回路網)を使っての訓練や最適化といった手法を学べるという。

 深層学習とはコンピューターを使った機械学習の一種。人間の脳の情報処理のパターンを数学モデルにしたニューラルネットワークに、より深い階層を持たせることで、正確で効率的な判断を行わせることができる。グーグル自体も音声アシスタントでの音声認識や、写真アプリでの画像認識などに深層学習を活用している。
(2016年1月27日付ロボット面)
藤元正
藤元正 Fujimoto Tadashi
英語とはいえ、無料でこうした講座が受けられるのはインターネット時代ならでは。もちろん、その背景には人工知能関連での優秀な人材の育成や発掘、さらには雇用につなげたいというグーグルのディープな狙いがあるわけですが、関心ある方はぜひ挑戦してみてください。

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