文科省が新事業で増加図る、高専発ベンチャーの有望分野

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文部科学省は2023年度から全国57の高等専門学校(高専)における起業家教育の支援を始める。モノづくりにデータサイエンス(DS)・人工知能(AI)を掛け合わせ、高専内に設置する試作スペースやコンテストで実践力を高める。これにより地域社会と連携した高専生発のベンチャー(VB)増を図る。23年度予算の概算要求で57億円を盛り込んだ。

新事業は高専生の起業マインド醸成でまず、高専卒の起業家の講義やビジネス知識習得の起業家教育を各高専が手がける。オンデマンド型講義の設備など支援し、従来のプログラミングやフィールド実験との相乗効果を引き出す。次いで起業を目指した試作づくりの工房や備品、起業支援専門家などを手配し、コンテストなどへの挑戦を促す。その後、地域連携の課題解決型などVB起業につなげる。国立51、公立3、私立3の全57校に、年1億円で5年間、支援する想定だ。

高専では近年、香川高等専門学校が東京大学の松尾豊教授と連携するなどDS・AI教育が進んでいる。鍛え合う場として「全国高等専門学校ディープラーニングコンテスト」(DCON=ディーコン)もある。

IoT(モノのインターネット)など機器測定にDS・AIを組み合わせる新ビジネスは、高専生の起業が有望だ。すでにメーターをデータ化する産業用小型AIカメラや、印刷物をスキャナーで読み取って点字に自動変化する機器などで、高専生発VBが生まれている。

COMMENT

山本佳世子
編集局科学技術部
論説委員兼編集委員

高等教育機関から生まれる高度な技術VBというと、大学教員の研究成果に基づくケースが思い浮かぶ。しかし、学生発の技術VBと考えると、高専の潜在力は大きいと気づいた。高専は大学に比べ、研究より教育に注力しており、学生のモノづくり力、つまりパーツを購入して実際に研究用測定機器を手作りするなどの力が、優れていると知られるためだ。これにDSやAI、さらに起業家教育が結びつけば…、社会ニーズの高いVB輩出へとつながるかもしれない。

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