国公・私立が連携した学部再編がここから起こる!?文科省が新事業

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文部科学省は2022年度新規の「地域活性化人材育成事業」(SPARC)で6件を選定した。国公私立の設置形態が異なる大学間の連携で、地域ニーズを意識した学部再編などの計画を支援する。山梨大学グループは工学と生命環境学の融合や、県立大学での工学系学科を計画。山口大学グループはデジタル変革(DX)の文系学科を想定するなど注目されそうだ。

SPARCは地域の産学官金のニーズ対応とフィールド活用で理系に強い国立大学、保健などをカバーする公立大学、数が多く人文・社会科学系が中心の私立大学などが、文理横断の教育プログラムを構築するものだ。

再編に向けたタイプでは、2025年度に情報系新学部を設置する信州大学も選ばれた。再編より手前の連携開設科目活用タイプのグループは3件ある。岐阜大学などは県内複数地域にサテライトの活動拠点を置く。熊本大学などは半導体産業に関連して文理横断DX人材を育成。宮崎大学は全学的な参画で、他の参加校のグローバル系科目を活用するのが特徴だ。

同事業はまず産学官金連携の「地域連携プラットフォーム」で求める人材像を明らかにする。次いで「大学等連携推進法人」を立ち上げ、参画大学間で科目を共有する「連携開設科目」を活用する。文系私大生が、国立大の自然科学系科目で単位を取ることなどが可能になる。これらの仕組み構築のハードルの高さから今回の申請は9件だった。

関連記事:理工系強化に100億円、文科省が私立大・国立大に異なる手だてで支援

日刊工業新聞2022年9月8日

COMMENT

山本佳世子
編集局科学技術部
論説委員兼編集委員

大学の学部・学科再編は、社会ニーズに応じた人材育成として重視されるが、文科省の今年度新規施策「SPARC」(スパーク)は、大きな変化を引き出しうる事業ではないかと気づいた。「大学等連携推進法人」では容易に、他大学の科目を活用できることは以前から注目しており、最も先を行く山梨大学グループの記事など紹介してきた。一方文科省はこのほど、デジタル・環境などで、私立大の学部新設などを後押しする事業を来年度概算で要求した。が、施設・設備でお金がかかる理工系を 新設することは、1大学の経営戦略としてはすぐ手が出せるものではない。それだけに理系に強い国立大の力を借りられるSPARCの手法が、改めて注目されるかもしれない。

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