働き方改革加速する大成建設、建設現場の作業所「4週8休」浸透なるか

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建設現場の作業所でICTを活用した業務支援に取り組む(イメージ)

大成建設は土木・建築現場で、作業所の働き方改革を加速する。2024年4月に迫る時間外労働の上限規制適用を見据え、土木本部で作業所の一部業務を集約した専門部署を始動。建築本部でも、先行して同様の専門部署や情報通信技術(ICT)に特化した部署を設置した。さらに生産性を引き上げ、建設現場における「4週8休」(週休2日)の確実な浸透を目指す。

大成建設は土日など週2日は完全に工事を休む「4週8閉所」を最終目標とした上で、まずは生産効率化による勤務体制の見直しなどで「4週8休」の導入を拡大する。専門部署で集約が難しい周辺業務についても、ICTの導入や外注化、人材派遣会社の活用といったもう一段の対策を検討。現場で施工管理を担う外勤社員の負担を軽減する。

土木本部は4月に従来の「働き方改革推進室」を大幅に機能拡充した「作業所支援室」を立ち上げた。各種書類の確認・作成など、現場以外でも対応可能な業務を集約。これまでは作業所に詰めていた社員の一部を“内勤化”し、現場とローテーション勤務する体制とした。全国のモデル現場を中心に、現時点で残業時間を短縮する効果が出ている。

土木分野では4週8閉所の取り組みが順調に進んでいる(イメージ)

すでに外注化した工事写真の仕分けや電子小黒板の導入といった業務に加え、各種書類の作成・管理など外注化できる業務の洗い出しも急ぐ。特に着工直後は、作業所に勤務する人数に対して作成・確認が必要な書類が多くなる。このため作業所支援室への集約と外注化などを組み合わせ、より生産効率を高められる手法を検討する。

建築本部も生産性向上やICTによる業務支援・改善を掲げ、18年以降に建築の3次元(3D)モデリング技術「BIM」を扱う「デジタルプロダクトセンター」や「作業所業務推進センター」を設置。足元では原則として「4週8閉所」をベースとした工程表を作成するルールも定めた。搬出入管理システムや顔認証による入退場管理システムの導入も進む。

21年度に行った作業所長へのヒアリング結果を基に、さらなる課題抽出にも着手する。複数のチームで低減できる業務の洗い出しを行い、早期に改善点をまとめる計画だ。ICTの先端事例や導入システムの正しい使い方を担当者が現場で直接レクチャーする「ICTキャラバン」も積極的に実施。生産性向上の好事例を集め、水平展開していく。

日本建設業連合会によると、会員企業の建設現場のうち、4週8閉所を達成した現場は21年度に37・9%(20年度は33・3%)あった。工事別では国や地方自治体による発注が主体の土木が50%(同40・3%)と順調に拡大している半面で、民間企業が発注者となることが多い建築は28%(同26・5%)にとどまっている。

日刊工業新聞2022年8月25日

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