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無人トラクター、ホウレンソウ自動収穫―農林水産業×ロボットの未来の姿がここに!

2015国際ロボット展・地方創生農林水産業ロボット推進協議会ブースリポート

はたらくロボット


 はたらくロボットは、ロボット技術の活用により農業を営む上での苦労を減らすことを目指すベンチャー企業。国際ロボット展では、独自の自律移動台車ロボットを披露した。同ロボットは主にビニールハウスでの利用を想定。収穫作業の際、収穫者と一定の距離を保ちながら自動追尾、収穫者は台車を操作せずに収穫物を載せられる。満載になると、マーカーで位置を認識しつつ自動で集荷場所に移動し、また収穫者の近くに戻ってくることができる。パワーアシスト付きの手押し車として使うことも可能。現在は70キログラムの荷物を搬送できる。
 はたらくロボットは、この技術を収穫物の運搬だけでなく、見回りや自動収穫にも応用したい考え。また、ロボットに搭載したセンサーからの情報で、本格的な営農支援を行う技術も開発していきたいという。

信州大学など


 信州大学工学部、カイシン工業(長野市)、西澤電機計器製作所(長野県坂城町)などは共同で、ホウレンソウ自動収穫装置を開発した。2017年度内の商品化を目指している。
 ホウレンソウのように柔らかく、人手の作業でも傷つきやすい「軟弱野菜」は自動収穫が難しい。信州大などは独自の「受動的ハンドリング技術」を開発。地表面位置を正確に把握しつつ、根を切る刃の高さや角度を的確に計算して自動制御することで、的確に収穫できるようにした。地中に石があっても対応できるという。
 根を切り取り、本体に備えてあるコンテナにホウレンソウを入れていく。握らず、挟まず、傷つけずに収穫できる。
 従来は手作業だったため自動収穫の貢献度は高い。商品化に向け、使い勝手と信頼性を高めていくことが今後の課題だ。

宇都宮大学


 宇都宮大学工学部は地元の名産品であるいちごの収穫ロボットシステムを開発している。自律走行型ロボットで収穫から専用カプセルへの投入、サイズ分けを自動化した。
 開発メンバーによると、本来の美味しさである完熟いちごはほとんど流通することなく、海外出荷はほぼ不可能とされていた。それは果実に少しでも触れるだけで傷みが促進されるためで、これを避けるために宇都宮大農学部と共同開発したのが、専用カプセルである。これにより、海外での高級品としての新規市場を開拓することができる。ただし、いちごを大切に扱うため収穫時、農家の心的負担も大きい。これらの課題をロボットで解消しようとするものだ。
 収穫はロボットが茎を切り、実を取る。実側に少し残した茎を専用カプセルの底部にかませる。カプセルも独自の工夫を施したもので、カプセルが倒れてもいちごがカプセル内部に触れることがない。高付加価値のいちごを扱うにはうってつけのカプセルで、カプセル単体での普及にも着手している。
(文=石橋弘彰)

地方創生農林水産業ロボット推進協議会
連絡先 〒439-0006 静岡県菊川市堀之内110-1 株式会社エムスクエア・ラボ(協議会会長)
電話:0537-28-7721 メール:cr-office@m2-labo.jp
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昆梓紗
昆梓紗 Kon Azusa デジタルメディア局DX編集部 記者
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