ロボットベンチャーへの投資急増、米インテル系VCもホテル向けサービスロボに出資

2015年は10億ドル超えか、前年の3倍近い水準に

 ロボットへの注目度が高まるにつれ、ロボットベンチャーに対する投資も過熱しているようだ。ロボット専門家トラヴィス・デイル(Travis Deyle)氏のまとめによれば、2015年のロボットベンチャーへの投資額は約9億2270万ドル(約1100億円)に上り、2014年実績(3億4130万ドル)の2.7倍もの規模となった。2011年(1億9360万ドル)との比較では5倍近くまで伸びている。

 ただ、アジアでのベンチャー投資は主要なものしか含まれていないため、同氏は「実際には10億ドルを超えているのではないか」としている。分野別では2014年に引き続き、医療用ロボットやドローンが大きな割合を占め、そのほか家庭用アシスタントロボットの「ジボ(Jibo)」や、アプリ制御ロボットの「スフィロ(Sphero)」といった、消費者向けロボットでも後期段階での投資が目立ったという。

 そうした中、13日にはロボットベンチャーの米サヴィオーク(Savioke)(カリフォルニア州)が、シリーズA(第1段階の投資)の資金調達で、米インテル系ベンチャーキャピタル(VC)のインテルキャピタルなどから合計1500万ドルの出資を受け入れたと発表した。サヴィオークの開発する「リレー(Relay)」は、タオルや練り歯磨きなどを客室に届ける自律配送サービスロボットとして、スターウッド、インターコンチネンタルグループなど著名ホテルで採用されている。

 インテルキャピタルでは、さらに市場の拡大が見込めることから投資に踏み切ったと説明しているが、それに加えて、このロボットに3Dカメラ技術の「リアルセンス(RealSense)」を提供するインテルの思惑も強く影響しているようだ。

 先日ラスベガスで開催された家電見本市の「CES」でも、基調講演を行ったインテルのブライアン・クルザニッチCEOが、周囲の環境に合わせて自律的に動くロボットやドローンなどに向けて、「リアルセンス」を幅広く展開していく方針をあらためて強調していた。

 リレーは2014年に発売され、エレベーターへの乗り降りも含めて自律的に走行し、宿泊客に依頼された物品を客室まで届けることができる。WSJによると6カ所のホテルにリースの形で計15台が導入。発表では2015年だけで1万1000回以上の配達をこなしたとしている。

 さらに、ロサンゼルス国際空港周辺にあるレジデンス・イン・ロサンゼルスLAX/センチュリー・ブールバードのように、ロビーにあるスターバックスから、リレーがコーヒーを運んできてくれるサービスもあるという。

 サヴィオークは2013年、インテル本社と同じシリコンバレーのサンタクララに設立された。同社への設立直後のシード投資では、グーグルベンチャーズや、ヤフー創業者であるジェリー・ヤン氏のAMEクラウド・ベンチャーズなども出資し、これまでの累計調達額は1760万ドルに達している。

 一方、インテル自身も中国のドローンメーカー、ユニーク・エレクトリック・アビエーションに出資するほか、1月4日にはドイツのドローンメーカー、アセンディング・テクノロジーズの買収を発表するなど、ロボットベンチャーの買収戦略を活発化させている。

ニュースイッチオリジナル
サヴィオークの発表

藤元 正

藤元 正
01月14日
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デイル氏のリストの出資先上位に載っているDJIもユニーク(Yuneec)も、人間用ドローンとしてCESで大きな脚光を浴びたイーハング(EHANG)も、いずれも中国のドローンメーカー。日本では、グーグルに買収された東大発ベンチャーのシャフトや、インテルはじめ各社から出資を受ける自動運転関連のZMPといったところがあるが、さらに世界の投資家や大企業の関心をかきたてるようなロボットベンチャーの活躍に期待したい。

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