中小企業が参入に苦労している医療市場で、成果が出ている理由とは

地方創生を支える!注目のベンチャー企業 #3 藤井製作所


人・企業のネットワークを生かす


 もう一つ藤井製作所が手がける医療機器分野のプロジェクトが医療用鋼製小物の受託開発・製造だ。鉗子(かんし)やはさみなど医療器具の多くは医師の好みなどに合わせて職人が手加工しているものが多い。これを3次元CAD/CAMを駆使して機械加工化し、安定品質で量産することを目指す。このプロジェクトでは、中小企業基盤整備機構と全国中小企業団体中央会が運営する「ものづくり中小企業・小規模事業者連携支援事業」の助成を活用。藤井製作所を核に、東京の医療機器製造販売業取得企業2者、医工連携支援のコンサルティング企業、事業管理機関として公益財団法人などでコンソーシアムを設立した。このコンソーシアムに千葉大学系の医工連携研究機関や業界関係者がアドバイザーとして付く。

 同事業は平成26年度から同28年度の3年間で、2年目の現在は「実際に職人技で作っていた鋼製小物を図面に落とし込む作業が進んでいる」。今後、見本品の製造や規格策定などのステップを上げていくことになる。

 多くの中堅・中小企業が参入を目指しながらも苦労している医療市場で、藤井製作所は一定の成果を出しつつある。その背景として「当社が立地する東葛地域の特性もある」と藤井社長は指摘する。
 同地域には東京大学、国立がん研究センターや千葉大学などの医療関連機関があり、さらに中小機構が運営する東大柏ベンチャープラザや千葉県産業振興センターが運営する東葛テクノプラザなど医療系ビジネスを後押しする機関も多い。実際に藤井製作所は東大柏ベンチャープラザや千葉県産業振興センターなどが東葛地区商工団体と共に運営する東葛工業人交流会による医工連携のマッチング会や医療関連企業の見学会などに積極的に参加してきた。藤井社長は「中小機構などの関連施設との距離感など、場所に恵まれた面もある」と振り返る。

 医療機器でも「最終的には、ディスポーザブル品といった量を出せるものに挑戦したい」という藤井社長。人や企業のネットワークを重視した同社の挑戦は続く。

会社概要
株式会社 藤井製作所
所在地  〒277-0861千葉県柏市高田1116-46
設立  1968年6月
事業内容 金型設計制作、精密プレス機械加工、熱処理、表面処理までの一貫生産体制、樹脂押出成形および二次加工、医療用鋼製小物受託開発・製造
http://www.fujiiss.co.jp/


東大柏ベンチャープラザ
http://www.smrj.go.jp/incubation/tkv/index.html

ニュースイッチオリジナル

  • 1
  • 2
  

記者・ファシリテーターへのメッセージ

この記事に関するご意見、ご感想
情報などをお寄せください。