実はベンチャー創出で私大トップクラス、東京理科大の圧巻

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異分野融合が強みのスペースシステム創造研究センターの研究イメージ(東京理科大提供)

東京理科大学は1日付で産学連携機構を設立、企業との協創を大幅に強化する。産学共同研究費を2020年度の約12億円から3倍に、大学発ベンチャー(VB)数を現在の110社強から約170社に引き上げる計画だ。石川正俊学長が東京大学在籍時に産学連携の基盤を整えた経験に加え、私立理工系総合大学の多様性・柔軟性を生かし、多様な企業ニーズに対応して潜在力を発揮する。

東京理科大は部局を越えた異分野融合が、他大学と比べて進んでいるという。総合研究院の「スペースシステム創造研究センター」なら半導体など材料、環境浄化やエネルギー製造の光触媒、閉鎖領域のインフラなどの研究者が集まる。一般に部局の縦割りが強い国立大学とは対照的だ。

近年は例えば電気自動車の未来社会で議論をし、電池やモーター、ITやシステムの研究者を集めた産学共同研究にニーズが高まっている。機動性の高い大規模理工系の同大で「土台を整備し、多様な産学連携の新手法を導入することで、共同研究の大型化や大学発VB創出の実績は上げられる」(石川学長)とにらむ。

経済産業省の20年度の大学発VB調査によると、同大はここ数年でVB数が急増して7位、私立大学でトップだ。新機構ではVB増を後押しする起業家教育や事業化推進体制の拡充など、総合的に取り組む。

これまでの研究推進機構「研究戦略・産学連携センター」を今回、産学連携機構と新「研究推進センター」に分離。産学連携を充実させて、教育と研究と同格の柱にしていく。

関連記事:ベンチャーも創業した東京理科大・新学長に聞く、図抜けた経験と知識の活用法

日刊工業新聞2022年4月7日

COMMENT

山本佳世子
編集局科学技術部
論説委員兼編集委員

経済産業省の大学発ベンチャー調査によると、たしかに20年度は東京理科大が111社で、慶応大と早稲田大の90社を押さえて私大トップ、全体で7位となっている。これは意外だった。もっとも19年度は東京理科大は30社で全体で20位。18年度は10社に過ぎない。早慶はこれらの年度でも80社台だから、急増した状況だ。この背景を次回、取材してみたい。

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