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クラウドファンディングが支える 新規事業・マーケティング拡大の成長ストーリー

インターネット上で企業と投資家を結ぶ「クラウドファンディング」。2000年初頭に米国から誕生したその仕組みは、企業側が「未来」を実現するきっかけとして、また個人の「想い」を企業に届けるツールとして広がった。我が国でも多くのクラウドファンディングサービスが比較できるまでに成長し、今に至っている。

多くの中堅・中小企業、またモノづくりベンチャーにとって、新規事業や製品化構想を実現するための「資金調達」は大きな関門だ。ただ、我が国のベンチャー企業支援や新規事業・地域経済の活性化は、都市部のみならず地方でも活性化している。その勢いを追い風に、「関門」を開く大きなカギとして、クラウドファンディングは検討すべき資金調達方法と言えよう。

クラウドファンディングには大きく分けて「購入型」「融資型」「寄附型」「株式型」「ファンド型」「不特法型」の6種類がある。もし企業側が資金調達を目的にクラウドファンディングを利用するのであれば、「寄附・購入型」「株式型」が最適であろう。

「寄附・購入型」は個人や法人から資金を寄附してもらったり、もしくは資金調達が目標額に到達した暁には、製品化した商品を返礼品として投資家に支給することで成立するクラウドファンディング。自社の魅力や製品化構想を投資家に伝え、資金調達のシナリオを成功に導く。

返礼品となる商品が、投資を促すような魅力ある製品であることも大きなファクターだろう。ただし、多くの返礼品は「BtoC」製品であることが多く、BtoB企業には不向きであることが多い。また調達資金の使用目的が「その製品開発向け」として明確化されている分、調達資金の使い道が限られる傾向にある。構想段階のその製品を世に送り出したい―という、「モノ」に対して資金を募るのが「購入型」クラウドファンディングの特徴だ。

一方、「株式型」クラウドファンディングは企業そのものの成長ストーリーに対して「株主」として応援するスタイルだ。企業が提示する成長ストーリーや展望に共感した投資家は、その企業の株主となり、企業を支えることができる。投資家たちはエクイティ目的で企業へ投資し、企業側は調達資金を企業の成長に向けて、研究開発だけではなく最適人材の雇用や広告露出などにも調達資金を割り当てることができる。

国内で第1号となる株式型クラウドファンディングをスタートさせたファンディーノ。大浦学COOは「企業成長に向けたプランを、投資家に分かりやすく紹介する仕組みやノウハウを数多く蓄積している」として、自社のクラウドファンディング案件の成立に胸を張る。資金調達の成功率は7割以上を誇り、多くの中堅・中小企業やベンチャーの成長を「株式」を通じて後押しする。

2021年11月時点

次に「株式型」で資金調達に成功した2社の事例を紹介する。

KOTOBUKI Medical(埼玉県八潮市)はこんにゃく粉を使用した手術トレーニング用模擬臓器の製品開発に向けて、クラウドファンディングを立ち上げた。これまで外科用トレーニング臓器は、実験動物や献体臓器に限られており、費用面・衛生面でもハードルの高い品だった。しかし、高度化する外科医療において、外科手術トレーニングは手術技量向上の上で必須である。安価で衛生的な「模擬臓器」に市場ニーズをくみ取った同社は、市場における潜在ニーズと企業成長の可能性で多くの投資家の心を掴み、9000万近い資金調達に成功している。

FUNDINNOのサイトより引用

一方、ロジック・アンド・デザイン(東京都新宿区)は不明瞭なデジタル画像を、より鮮明に補完するためのアルゴリズム解析を得意とする。その画像解析には独自開発した「AI復元超解像度化技術」を使用しており、撮影した画像データ上にはデータとしてあるものの、人の目には見えにくい部分を、より鮮明に反映させることに特化している。コロナ禍において発展が見込まれるオンライン診療などの医療分野、宇宙航空分野、インフラメンテナンス分野など、撮影画像の鮮明化が求められる分野は多岐にわたる上、その技術延伸は投資家たちから高い共感を得て、クラウドファンディングプロジェクトは6000万近い資金調達に成功した。

FUNDINNOのサイトより引用

この2社は扱う商品がBtoB製品だったゆえに、「株式型」クラウドファンディングを上手に利用し、戦略的に資金調達を成功した例である。投資家たちの心を動かす経営理念と、企業の「市場ニーズに応えたい」という想いが結びついた結果だ。案件成立に向けて、各クラウドファンディング企業が伴走してサポートするのも心強い。新たな資金調達の一つとして、検討する企業は今後も増えるだろう。

2022国際ロボット展 併催事業

「クラウドファンディングとモノづくりベンチャーの最前線」
 日時:3月12日(土)13時―14時半  会場:西4ホール ステージB

 オープニング:ファンディーノCOO 大浦 学氏
 【パネルディスカッション】
 経済産業省 経済産業政策局新規事業創造推進室 室長補佐 皆藤彰吾氏
 関西学院大学 教授 加藤 雅俊氏
 菊地製作所 経営企画部 乙川 直隆氏
 ファンディーノ COO 大浦 学氏
 MC:経済アナリスト 馬渕 磨理子氏
 【クラファン利用事例紹介】
 ダブル技研社長 和田 博氏
 トルビズオン社長 増本 衛氏
 Hakobot社長 大山 純氏

 聴講お申し込みはこちらから(定員250名)

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