脱炭素時代を見据えた技術発信、製造業から熱い注目。第16回エレクトロヒートシンポジウム開催中

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16回目の今回もウェブで情報を発信する

第16回エレクトロヒートシンポジウム「産業電化が導くカーボンニュートラルの未来」(日本エレクトロヒートセンター主催)がWEB形式で開催中だ。温室効果ガス排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラルへの挑戦が産業界に求められており、“WEB会場”は盛り上がっている。過去最大となる11の技術発表、さらにバーチャルブースにも56団体が技術出展。開幕した1日時点で1472人が入場登録をしており、「脱炭素社会」の基盤となる産業電化への注目度の高さがうかがえる。

カーボンニュートラル時代の製造業を支える

シンポジウムの会期は30日まで。参加登録は日本エレクトロヒートセンターのホームページ内の特設サイトから。講演や技術発表は事前収録した動画を配信しており、参加登録をすれば期間中、何度でも聴講できる。また好きな時間に来場してバーチャルブースをめぐり、資料のダウンロードや問い合わせも可能だ。

政府は6月に策定した「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」で電化をカーボンニュートラルの達成手段の一つに位置づけた。この電化がエレクトロヒートだ。

エレクトロヒートとは電気エネルギーを利用した加熱・冷却技術。主な加熱方式に抵抗、電磁波、誘導、赤外・遠赤外、電子ビーム・レーザー、アーク・プラズマ、業務用厨房、ヒートポンプがある。対象の製品を直接加熱できたり、温度も自在に制御できたりする。また、ヒートポンプでは廃熱を再利用できる。化石燃料を燃焼する加熱と違い、省エネルギー化で威力を発揮し、生産性の向上や作業環境も改善できる。再生可能エネルギーなど二酸化炭素(CO2)を排出しない電気で稼働できるので、カーボンニュートラル時代の製造業を支える加熱技術となる。

今回のシンポジウムはエレクトロヒートの最新の技術や動向、導入事例を発信する場であり、参加者は幅広い情報を収集できる。

基調講演には2名が登壇する。経済産業省産業技術環境局エネルギー・環境イノベーション戦略室長の河原圭氏は「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」と題した講演で、産業界の脱炭素を後押しする政府の政策を紹介する。

日本経済団体連合会環境エネルギー本部長の長谷川雅巳氏は「2050年カーボンニュートラルに向けた経団連の取り組み」と題し、経団連の「カーボンニュートラル行動計画」や「チャレンジ・ゼロ」を紹介する。

また、特別講演として日本鉄鋼連盟環境エネルギー技術委員長の手塚宏之氏が「鉄鋼業のカーボンニュートラルへの取り組み」とし、水素還元やカーボンリサイクルの活用など、高炉からのCO2排出量を大幅に削減するプロジェクトを説明する。

技術発表は11件。抵抗加熱、電磁波加熱、誘導加熱、ヒートポンプ、業務用電化厨房についてメーカーなどが導入事例も交えながら省エネルギー化やCO2排出削減の効果を報告する。

技術展示には56のメーカーやエンジニアリング会社、団体、大学、研究機関が出展した。参加者はバーチャルブースをめぐり、ヒートポンプや電気加熱、エネルギーサービスなどの最新情報を幅広く入手できる。訪問したブースで資料のダウンロードや出展者への問い合わせが可能だ。技術発表を聴講し、ブースを訪問して技術について詳細な情報を知ることもできる。

週替わりのコンテンツ配信

シンポジウムでは週替わりのコンテンツ配信も予定する。エレクトロヒートを活用して省エネ化を実現した現場からの事例報告、海外のエレクトロヒート市場の動向、大手エネルギー企業のカーボンニュートラル実行戦略など、多彩な内容を企画している。週替わりコンテンツは初の試み。時間や場所の制約が少ないWEB開催の利便性を生かしており、参加者は30日までの開催期間中、何度も訪問し、常に最新情報に接することが可能だ。

テーマは産業電化が導くカーボンニュートラルの未来

シンポジウムは日刊工業新聞社が共催、経済産業省と環境省が後援、関連31団体が協賛する。前回(2020年開催)は感染症対策として初めてWEBで開催し、約2700人が参加した。初日で1472人が入場登録しており、前回を超える参加数が予想される。

2020年10月、政府は「2050年カーボンニュートラル」を宣言した。徹底的に排出を減らし、それでも排出した分を森林などで吸収して排出量を実質ゼロにすることがカーボンニュートラルであり、脱炭素社会の実現となる。政府は21年4月、30年度までに国内の排出量を13年度比46%削減する目標も表明した。製造業にも温暖化対策が迫られており、エレクトロヒートの導入が有効な選択肢となる。

第16回エレクトロヒートシンポジウム

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