地方国立大学の定員増、文科省が初年度実施を見送った事情

  • 1
  • 0

文部科学省は地方創生のけん引役となる地方国立大学を後押しする「魅力ある地方大学の実現に資する地方国立大学の定員増」の実施を見送った。初回となる2022年度向けの公募を行い、2大学2件の申請があったが審査会で採択とならなかった。ただ、文科省は23年度の公募で時間をかけて練り上げた実効的な案件の申請が見込まれるとしている。

今回の公募は地方創生を重要な大学の役割とする地方大学の改革を後押しするため、内閣官房まち・ひと・しごと創生本部での議論を経て、20年末に決定した。文科省が一部の国立大に対する特例として具体策を整えた。

申請・審査のポイントは定員増の必要性、地域との緊密な連携、定員増となる学部などの特色ある教育・研究、学長のリーダーシップや地域の参画、中長期的な重要達成度指標(KPI)の五つ。22年4月入学者の定員増に向けて6月に公募を開始し、8月末までに2大学が申請した。大学名は非公表。

22年度の公募は既存学部の拡大となるため、大胆な改革計画が出にくいとみられていた。そのため、地方創生に資する新学部の設立などに合わせた23年度の公募に注目が集まりそうだ。

関連記事:学部解体の断行も、地方国立大学は破壊的改革へ

日刊工業新聞2021年11月1日

COMMENT

山本佳世子
編集局科学技術部
論説委員兼編集委員

話題の案件だったが残念ながら、今回は採択が見送りとなった。しかし国立大の第4期中期目標・中期計画が22年度にスタートするため、各大学はこの1年ほど力を入れて中長期プランを練ってきた。その中でブラシュアップされた地域振興の新学部を計画する大学から、この定員増の施策活用を次回、狙うところが出てくるだろう。

キーワード
文部科学省 国立大学

関連する記事はこちら

特集