コロナワクチン「特典」で若年層の接種は進むか、自治体が飲食・観光割引など

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新型コロナウイルスのワクチン接種を受ける若年者

若年層における新型コロナウイルスのワクチン接種の促進に向け、地方自治体が独自のインセンティブ事業を始める。10―30代をターゲットにワクチンの有効性に関する情報発信や接種時間の拡大などを実施してきたが、接種率は他の年代に比べて低調。そこで東京、愛知、群馬、長野などの自治体では接種を行った若年層が地域内の飲食店や観光施設で割引などの特典を受けられるキャンペーンを開始。接種率の向上と地域内での消費喚起を狙う。(石川雅基)

年代別ワクチン2回接種率のグラフ

東京都は11月1日からワクチン接種証明アプリ「TOKYOワクションアプリ」の提供を始める。接種記録と身分証明書をスマートフォンで撮影し、アプリに登録するとワクチン接種証明をスマホ画面で表示できるようになる。飲食店で使えるクーポンなどの特典も受けられる。都は認証店に対し、1テーブル5人以上で食事をする際はワクチン接種証明を確認する協力要請をしており、ワクチン接種証明にはTOKYOワクションアプリの活用を推奨する。

都の担当者は「アプリの提供は若年層のワクチン接種の促進が目的。クーポンが使えるので多くの人に登録してもらいたい」と話す。アプリの利用は2022年3月末までの予定だが、「状況をみて来年度以降も継続する可能性がある」(都担当者)という。

首相官邸によると26日時点で、ワクチンを2回接種した人の割合は全人口の約70%。一方、年代別では30代で約61%、20代では約57%にとどまる。若年層の感染拡大を防ぐため、ワクチン接種の促進を他の自治体でも急いでいる。

長野県は11月末までに接種を受けた主に20、30代の県民を対象に、地元企業の製品や食事券を抽選で配るキャンペーンを28日から開始する。県の担当者は「製品は事業の趣旨に賛同した企業から提供を受けた。旅行券と食事券は感染拡大で打撃を受けた産業を支援する狙いがある」と話す。

愛知県は10月末までに接種した20、30代の県民を対象に1万円分の食事券を抽選で2万人に配るキャンペーンを始めた。21日時点で「約10万人から既に応募があった」(県担当者)という。20、30代の接種率はともに全国平均よりも高い。群馬県では2回接種した20、30代を対象に、地元企業の製品や宿泊券をプレゼントする取り組みを行っている。

ワクチン接種を推進する内閣官房の担当者は「各地域の実情を踏まえ、自治体の創意工夫で接種率の向上につなげてほしい」としている。今冬には新型コロナの第6波が予想されており、自治体には若年層が接種に向かう仕組みづくりが引き続き求められる。

日刊工業新聞2021年10月28日

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