東大生産研が新設した「インタースペース」研究部門で挑む技術開発
東京大学生産技術研究所はPwCコンサルティング(東京都千代田区、大竹伸明代表執行役最高経営責任者〈CEO〉)の寄付により、実空間とサイバー空間の間でデータ・情報を行き来する領域「インタースペース」の研究部門を開設した。物理的な領域と情報領域を一般的なデジタル3次元(3D)記述の仕様を使って接続する「コモングラウンド」という概念を基盤に確立。スマートシティー(次世代環境都市)向けの建物、自動車、病院、居室といった個別技術をつなげ、産学連携で発展させる。
新設した「持続可能性志向インタースペース寄付研究部門」の設置期間は、2024年9月末までの3年間。寄付金額は非公表。リアル・フィジカルの空間に仮想現実(VR)や拡張現実(AR)のアバター(分身)などが混在する近未来社会を見据え、空間認識のカメラやセンサーと人工知能(AI)などを高精度・高頻度でつなぎ、データや情報をやりとりする学理や技術開発に取り組む。
PwCコンサルティングはデジタル技術を活用した街づくりの提案で、産業界とのつながりに強みを持つ。東大への寄付を通じて自社事業への相乗効果を引き出す。
東大生研は同研究部門と同期間に「インタースペース連携研究センター」を設立。既存の「建築・都市サイバー・フィジカル・アーキテクチャ学社会連携研究部門」などと協力し、インタースペース関連のプロジェクトを進めていく。
日刊工業新聞2021年10月14日