半導体装置の納期遅れ解消へ。ディスコが1000人増員に動く

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ディスコは半導体製造装置の需要拡大に対応するため、1000人規模の増員が必要になるとの見通しを明らかにした。人手不足が原因で生産が追いつかず、装置の納期遅れが発生している。納期は通常早いもので1―2カ月程度だが、半年―1年に延びているという。増産を計画している呉工場(広島県呉市)、桑畑工場(同)、茅野工場(長野県茅野市)の3工場全てで人材確保を急ぐ考えだ。

第5世代通信(5G)普及やコロナ禍における巣ごもり消費の増加、自動車生産の回復などにより半導体需要が拡大。後工程で半導体ウエハーの切断、研磨などを行うディスコの装置への引き合いは強い。

現在保有する全工場をフル稼働で使用する場合は「(追加で)1000人の採用が必要」(関家一馬社長)という。

ディスコは4月に茅野工場の新棟を稼働。桑畑工場の新棟も一部スペースで月内に稼働を始める。フル稼働で操業しており、本来3工場で休日としていたお盆時期の12―13日も工場稼働を続けた。

消耗品である砥石(といし)への影響はないが、人手不足で装置の受注・出荷に影響が発生している。4―6月期の受注残は前年同期比1・6倍(売上高は同1・4倍)の925億円に増加。納期の長期化が原因で受注につながらなかったケースもある。

茅野、桑畑の新棟全スペースを使うと、全社売上高3000億円分(21年3月期は1828億円)に相当する生産能力を確保する見込み。この生産能力を確保するには、現状比約1000人増の約3600人まで増やす必要があるという。単身者向けの寮を工場の屋上や隣地に建設するなどして、域外の人材も積極的に呼び込む。

半導体製造装置メーカーの一部では、半導体などの部材不足が原因で装置の納期が延びている。ディスコは部材不足による納期の遅れは今のところ発生していないという。人材不足の解消が先決となっている。


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日刊工業新聞2021年8月17日

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