“導入しやすい”IoTでさまざまな現場の生産性向上!

地方創生を支える!注目のベンチャー企業 #1 ライフラボラトリ


生産性向上に向けて


 そこで位置情報もわかるようにするため、ビーコンを活用することになった。Bluetoothを使い、ビーコンを工場や倉庫内の一定距離ごとに置いて各ビーコンにIDを付与し、測位するというものだ。

 この機器を使い、さらに横浜にある倉庫で実験を行った。倉庫内に35台ビーコンをセットして、ポケットにモーションセンサを入れて歩き、データを取った。歩いたルートの軌跡も参照でき、作業者が何時にどこにいたかがわかるので、30%はピッキング作業、40%は移動など集計機能では1日にどのエリアにどのくらいいたかがわかる。移動が全体的に多ければレイアウトにムダが多いのでは、人によって時間にばらつきがあれば仕事の偏りがあるのでは、などと推測でき、現場の改善につなげることができる。取得したデータをさまざまな切り口で分析することで、生産性向上活動に役立てられる。

 このシステムの特徴の1つに、設置のしやすさがある。倉庫や工場では壁にしか電源やネットワークをつけられない場合が多い。しかしビーコンは乾電池で動き、磁石でセットできるので場所の制約が少ない。「工場などは頻繁にレイアウト変更があるのですが、これはレイアウト変更時もペタッと貼るだけでよく、設置が簡単なのが一番喜ばれている点です」(鈴木社長)。

 さらに「ボトムアップの現場改善活動に役立ててほしい」という鈴木社長の願いもあり、ビーコンとセンサのセットを200万円で販売する。現在販売されている画像解析や動線解析は1,000万円以上するものもあるが、費用対効果が求められる点でも200万円という値決めは重要だという。「現場作業者の人件費が年に300万から400万くらい。200万円のシステムを入れて一人削減できれば、100万円儲かる。導入する側もイメージしやすいし、営業が話を持って行きやすいんです」(鈴木社長)。

 センサのかわりにスマートフォンにアプリを入れ使用することもできる。例えば建築現場などで下請け会社が多数ある場合、センサを一人ひとりに貸し出すと管理が難しい場合がある。そこで個人や会社のスマホにアプリを入れてもらい、作業中持ち歩くことでセンサと同様に作業状況がわかる。モノづくり現場以外にも、医療現場などで看護師の業務改善などにつなげたいという。
 

「これはうまくいくかも」と起業


 2015年8月に富士通から独立し、会社を立ち上げたばかり。試作機開発と実験は富士通時代に行っていたが、客先の反応を見ていて「これはうまくいくかもしれない。リスクはあるけどスピンアウトした方がいいかなという気持ちが強くなり、後2年で役職定年になることもあり」(鈴木社長)起業に至った。現在は3人でソフト開発と機器設計、開発を行っている。すでに自動車関係企業1社に納入が決まっており、2016年春に発売予定だ。

 10月に参加した「おおた研究・開発フェア」や「イノベーションリーダーズサミット」では具体的に話が聞きたいという引き合いも多く、各方面で商談を進めている。

 現在、中小企業基盤整備機構の東北大学内インキュベーション施設「T-Biz」に入居。この立地を生かし、東北大学との関わりも広げていく。「AIを導入したいので、情報学科や数学科の先生との連携を視野に入れています。インターン生も受け入れたい。仙台に雇用を生み出せるようになりたいですね」(鈴木社長)。


<会社概要>
ライフラボラトリ株式会社
所在地  〒980-8579 仙台市青葉区荒巻字青葉6-6-40 T-Biz 305
設立  2015年8月5日
事業内容 IoTに関する研究開発及び製造・販売
http://www.lifelabs.co.jp/index.html



T-Biz(東北大学連携ビジネスインキュベータ)のサイト
http://www.smrj.go.jp/incubation/t-biz/index.html

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