半導体製造装置用バルブユニットの新工場を日韓に建設するフジキンの狙い
フジキン(大阪市北区、野島新也社長)は、半導体製造装置用超精密バルブユニットなどの新工場を日本と韓国に建設する。投資額は計約74億円。新工場に加え、ベトナム工場も増強し、2025年度をめどに同ユニットなどの生産能力(金額ベース)を現行比3割増の2000億円まで高める。好調な半導体製造装置向けの安定供給につなげ、旺盛な需要を取り込む。
国内新工場は、万博記念つくば先端事業所(茨城県つくば市)の敷地内(約11万5000平方メートル)に22年度内をめどに着工予定。延べ床面積は約2000平方メートルで、うち約半分は超精密バルブ機器などを生産するクリーンルームになる。投資額は約20億円で、24年度の完成を目指す。同工場は太陽光パネルを最大限活用したスマート工場とし、脱炭素化にも対応する。
韓国では子会社のTK―フジキン(釜山広域市)が、3万3000平方メートルの敷地に新工場を21年下期に着工する。
投資額は土地代含め約54億円。25年完成予定で、現地の半導体装置メーカー向けの受注増を見込む。
また、ベトナムの既存工場の設備増強などで国内外の生産拠点のサプライチェーン(供給網)を強化する。
同ユニットの売り上げなどが好調なことから、フジキンの22年3月期売上高は前期比20%増の約1388億円を見込む。
日刊工業新聞2021年6月18日