広がる国立大の定借土地活用、東大・東工大に次ぐお茶の水女子大のプランは?
お茶の水女子大学は阪急阪神不動産と契約し、東京都板橋区の「国際学生宿舎」跡地に定期借地権付き分譲マンションを建設することを決めた。2023年に着工する予定。同宿舎は同文京区のキャンパス内に移転する。阪急阪神不動産からの一時金や毎年の借地料を新宿舎に住む学生の賃料補填のほか、併設する課外活動施設の管理・運営などに活用する。事業費や借地料などは未公表。
阪急阪神不動産が開発するマンションは地上11階建てで、総戸数268戸。建築面積は3000平方メートル、延べ床面積は約2万1800平方メートル。交通の便がよく商業地にも近い。定期借地権の利用は22年から75年間。23年2月に着工し、25年3月完成を見込む。
お茶の水女子大は築約50年の老朽化した国際学生宿舎を移転して建て替えるための予算を定期借地権の収入でカバーする。新しい学生宿舎は災害時の安心・安全を重視し、同大キャンパス内に置く。新宿舎は7階建てで室数450室。延べ床面積は約1万平方メートル。課外活動共用施設を併設し、サークル活動のための練習室やピアノ室を設ける。
建設は積水ハウス不動産東京(東京都渋谷区)を中心とする企業グループが担う。完成は22年2月を予定する。
国立大学が保有する土地の定期借地権を活用して再開発する事例が東京大学や東京工業大学で出ており、大学が施設の一部を活用する。お茶の水女子大はマンションを使用しないが、高齢者や子どもに配慮した施設を事業者に要望している。
日刊工業新聞2021年6月4日
