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グーグルの自動運転試作車、近くに子供がいると注意深い運転に

ハロウィーン利用し、センサーとソフトの子供認識機能を「特訓」
グーグルの自動運転試作車、近くに子供がいると注意深い運転に

ハロウィーンのコスチュームで自動運転車のまわりを歩く子供たち(Google+から)

 タマゴのような形をしたグーグルの自動運転試作車が昨年12月に発表されてから1年あまり。6月からは本社のあるカリフォルニア州マウンテンビューをはじめ一般道も走るようになったが、機能面でもより賢くなってきているようだ。とくに路上で予想外の行動をとる子供を引かないよう、その対応にも気を配っている。新たに、子供の周辺では通常の歩行者の近くを通る時よりも注意深く運転するような設定を追加したという。

 その一環として、ハロウィーンに当たる10月31日には、おばけやスーパーヒーロー、ロボットといったさまざまなコスチュームに身を包んだ大勢の子供たちとその家族を招待し、子供たちに停車している自動運転車の周りを走り回ったり、うろついてもらったりする試みも行った。グーグルによるGoogle+の書き込みによれば「子供たちが奇妙なコスチュームを身につけていたとしても、子供特有の体形や大きさを車載のセンサーやソフトウエアに認識させるための特別訓練になる」とその意義を強調している。

 子供は急に道路を横切ったり、ボールを取りに道路に飛び出したり、止まっている車の後ろにいてよく見えなかったり、行動が気まぐれでその予測が難しい。自動運転車であっても急な動きへの対応は難しく、子供を引いてしまわないとは限らない。こうした訓練を積むことで、周囲の子供をきちんと認識して注意深く走行する自動運転車が、近く登場するものとみられる。
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藤元正
藤元正 Fujimoto Tadashi
グーグルフォトなどでは人工知能の一種であるディープラーニング(深層学習)を使って写真の内容をある程度読み取り、自動で分類している。グーグルはたぶん、自動運転車にもそうした技術を応用し、リアルタイムでの認知機能の向上を図ろうとしているのだろう。

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