ニュースイッチ

TPRが海外スタートアップに初出資の狙い

TPRが海外スタートアップに初出資の狙い

ピストンリングなどTPRの主力製品群

TPRは、新型エンジン開発のイスラエルのスタートアップ、アクエリアス・エンジンズへの出資契約を結んだ。出資額は数億円程度とみられる。TPRが海外のスタートアップに出資するのは初めて。同社では環境に優しい高効率な発電機用エンジンの開発や、次世代燃料向けエンジン部品の開発を視野に入れる。

アクエリアスは2014年10月設立で、新機構のエンジン「フリーピストン・リニアエンジン」を開発。クランクや動弁系の機構を持たず、部品点数が20項目以下に抑えられ、小型で高効率なのが特徴。同エンジンを搭載したパッケージ型の発電機を開発中で、第5世代通信(5G)基地局用の発電機などを想定する。同社は事業化に向け、ピストンリング回りの技術的なノウハウなどや、量産化に向けた戦略的なパートナーを探していた。

TPRは、エンジン回りをモジュールとして提案する新規事業創出の足がかりにする狙いがある。新事業開発担当の塚本英貴執行役員は「戦略的なパートナーとして、いろいろな可能性を模索していく」とした。

日刊工業新聞2020年10月30日

編集部のおすすめ