作成時間が7分の1に!コロナ禍で活躍、海外拠点“見える化”ツールの威力

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海外拠点の見える化実現【海外渡航が困難な中でのOBM活用事例】

TKCが提供する「海外ビジネスモニター(OBM)」は、海外拠点の財務状況を“見える化”することで、海外展開を図る企業を支えるクラウドサービスだ。海外子会社の現地会計システムから仕訳明細を取り込み、親会社の勘定科目体系に組み替えて会計データを表示する。会計データは日本語や英語に自動翻訳され、親会社は海外子会社の業績を適時かつ正確に把握できる。海外展開に伴い経営・財務に関する業務が複雑化するなか、OBMは多くの導入企業で管理部門の業務効率化と海外子会社のモニタリングやガバナンス強化に貢献している。

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三木プーリ/勘定科目組み替え自動化 業務報告書作成時間を大幅短縮

【グローバル展開】

OBMを活用し、財務管理の強化に向けた取り組みを進めているのが、伝動・制御機器の総合メーカー、三木プーリ(川崎市中原区)だ。同社は変速機、カップリング、電磁クラッチ・ブレーキを中心に、機械・装置の伝達制御に欠かせない製品を手がける。国内に加え、アジア、北米、欧州地域で製造・販売拠点を持ち、代理店や技術提携先など独自のネットワークを構築している。

同社はこれまで海外子会社の財務情報は、現地の会計システムを通じてデータファイルを送り、本社でエクセルシートに集約し管理していた。だが、欧州で持ち株会社を設立するなど海外事業を強化していた2010年代前半から「海外子会社の財務データを個別に取りまとめ、統合・管理する業務のやり方に限界を感じていた」(笹健一執行役員)と明かす。

三木プーリ・本社テクニカルセンター

現地から送られる会計データは形式が統一されておらず、個別のデータを内容確認した上で、レイアウトを統一するなどの業務が発生。さらに、現地の勘定科目を日本の科目に手作業で組み替える必要があった。期限内にデータが届かないこともあり、課題解決の糸口を探していた。

【効率化に貢献】

役員会でも後押しを受け、第一段階として19年度から香港・台湾などの子会社にOBMを導入。初年度からその効果は発揮された。勘定科目の組み替えが自動化され、本社の会計システムには勘定科目が統一されたデータが転送される。内容確認や報告資料への転記作業などの諸業務も効率化し、これまで7日ほど要していた業績報告書の作成時間を1―2日ほどに短縮できた。さらに、即時に海外拠点の業績把握が可能になり、経営状況の可視化を実現した。

導入時は現地会計システムの変更が必要なく「現地スタッフの業務負担の増加や、心理的な不安の抑制につながった」(同)と評価する。また、新型コロナ禍で出張できない状況の中、海外拠点の状況把握に貢献。導入途中だった子会社では「各国の会計システムに即したマニュアルを用意するなどTKCの細やかなサポートを受け、現地に訪問する必要も無く導入作業を完遂できた」と財務管理部の西牧久美子氏は振り返る。

三木プーリ・天津工場

20年中に米国拠点、その後はインドやドイツの子会社などにOBM導入を広げ、海外子会社と本社会計システムの連携を強化する計画だ。

使い方は“無限大”

【情報を一元管理】

三木プーリの財務管理部では、さらに先を見据えた「あらゆる企業情報を一元管理できる体制づくり」を目指している。それには会計・経営管理システムの各種データの連携に加え、海外拠点からより多様な情報を集約できる仕組みづくりが必要になる。OBM導入は構想の実現に向けた第一歩となった。西牧氏は「社長、副社長はじめ役員への説明当初、実現性は不透明であったにもかかわらず、その可能性にかけてくれた」と振り返る。

さらに「OBMに仕訳をCSV形式で出力する機能が備わっているが、シンプルであるがゆえに『使い方』は無限大だ」と期待を寄せる。笹執行役員は将来の管理部門の戦略について「1カ所の専門部署だけで、世界中の拠点を管理できることが理想」と語る。これからの時代にふさわしい管理体制の構築に向け、同社の挑戦は続く。

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