メガソーラーを全国各地111カ所に設置! オリックスの新たな太陽光発電サービスモデル

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蓄電池を同時に設置して災害時の非常電源にする(オリックス提供)

店舗・工場の「自家消費」狙う

オリックスが太陽光発電関連事業で新しいモデルに軸足を移そうとしている。自社で太陽光発電所を建設、運営する従来モデルから顧客の店舗や工場の屋上に太陽光パネルを設置し、売電する新モデルへの転換だ。電力の固定価格買い取り制度(FIT)の単価下落に対応するためで、顧客の自家消費需要を狙う。新モデルのサービス実績も出始めた。

111カ所展開

オリックスは大規模太陽光発電所(メガソーラー)を全国各地に111カ所展開する。建設中の案件や各地の小規模発電を含めた合計の最大出力は約100万キロワット。原子力発電所1基分に相当する。

ただ、大規模案件を新規に建設するビジネス上の利点は薄れてきている。政府が再生可能エネルギーの普及を図るため2012年に始めたFITは、買い取り単価が毎年下落している。さらに今後はFITの代わりに、買い取り価格が市場価格に連動するフィード・イン・プレミアム(FIP)と呼ばれる新制度が導入される。そのため新規案件による売電収入には期待しづらい状況だ。

そこで同社など太陽光発電事業者は第三者所有(PPA)というモデルに着目し、サービスを始めた。顧客の工場や大型店舗、物流施設の屋上に太陽光パネルを設置し、顧客に売電して自家消費に充ててもらう。太陽光パネルは自社所有物なので、顧客は設置費用がかからない。契約期間は最長20年間。その間の保守費用も自社負担する。契約期間後は顧客に太陽光パネルを無償譲渡する計画だ。

新サービスの第1号顧客は東海・北陸などにスーパーを展開するバロー(岐阜県多治見市)。岐阜県と静岡県の計2店舗に太陽光パネルを設置し、PPAモデルでサービスを始めた。同社は2店舗で使う電力の一部を太陽光発電で賄う。オリックスは発電量を使用電力の約3割と見込む。太陽光発電は二酸化炭素(CO2)を排出しないため、バローは環境への配慮を示せる。

顧客の施設に太陽光パネルを設置して売電する第三者所有モデルを開始(岐阜県可児市のスーパー)

蓄電池も提供

オリックスならではの特徴もある。蓄電池との一体提供だ。家庭向け蓄電池のレンタルサービスは1万件以上の実績がある。使用可能期間などのノウハウを持つほか、蓄電池の課題である価格についても調達量でコストを抑えられる。

蓄電池は事業継続計画(BCP)対策になる。太陽光パネルで発電した電力を蓄電池にためて災害で停電した時に使う。バローではレジや照明、水洗トイレの電力に充てることで、最低限の店舗運営を継続できるという。

今後、オリックスはバローの他店舗にもPPAモデルの導入を提案する。さらに全国で営業展開し、「5年間で累計1000カ所への設置」(堀内拓也環境エネルギー本部電力事業第二部長)を目標としている。

営業手法がカギ

目標達成には営業手法がカギとなる。まだ構想段階だが、PPAモデルの導入を検討する顧客がインターネットで長期的な費用などを試算できる仕組みを検討する。PPAモデルの普及に向けた取り組みが動きだす。(戸村智幸)

日刊工業新聞2020年9月11日

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