米大学が特許侵害でアップルに勝訴、280億円の賠償命令

プロセッサー特許巡り、最新機種iPhone6s/6s Plusでも別の訴訟起こされる

 米国のウィスコンシン大学がアップルを相手に起こしていた特許侵害訴訟で、連邦陪審が2億3400万ドル(約280億円)の賠償金をアップルに支払う命令を16日に下した。iPhoneやiPadに内蔵されたプロセッサーが、同大の特許を侵害していると認定した。アップルはこれまで、特許訴訟では主に訴える側で、サムスンなどを相手に有利に展開してきたが、今回は大学を相手に足元をすくわれた格好だ。

 2014年1月に訴訟を起こしたのは、ウィスコンシン大マディソン校による発明特許を民間に移転する技術移転機関(TTO)「ウィスコンシン・アラムナイ研究財団(WARF=ワーフ)」。同大でコンピューターサイエンスを研究するGurindar Sohi教授らが発明し、マイクロプロセッサーの性能向上に関する1998年の特許を、iPhone 5s/6/6 PlusやiPadに搭載されたA7/A8/A8Xプロセッサーが侵害しているとして、アップルに4億ドルの賠償を求めていた。

 この案件については、今週初めにウィスコンシン州マディソンの連邦地方裁判所が、同大の特許の有効性とともに、アップルによる特許侵害の裁定を下していた。引き続きWARFは、今年9月にもアップルを相手取って2番目の訴訟を起こし、今度は最新機種のiPhone 6s/6s PlusとiPad Proに搭載されたチップを特許侵害の対象にしている。

 WARFは過去にも、2008年にインテルのCore 2 Duoなどのマイクロプロセッサーが同様の特許を侵害しているとして提訴し、2009年に和解に持ち込んでいる。この時の和解金額は非公表だが、ロイターによれば1億1000万ドルにのぼるという。

ニュースイッチオリジナル
WARFのニュースリリース

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藤元 正

藤元 正
10月17日
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以前、WARFの関係者に会ったことがあるが、そのパワーは強力。一部には、保有特許をもとに大企業から巨額の賠償金や特許のライセンス料をむしり取る「パテントトロール」と陰口を叩く向きさえある。とはいえ、大学が優秀や科学者を集め、巨額の費用のかかる先端研究を進める上では、特許をもとに資金を集める役割は重要で、こうした凄腕の技術移転機関(日本ではTLO)の存在が欠かせない。

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