デルがEMCを670億ドルで買収、ハイテク業界で過去最大

ストレージ、仮想化ソフト、セキュリティーで企業向けクラウドIT拡大へ

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 世界第3位のコンピューターメーカーの米デルが投資会社のシルバーレイクなどと組んで、ストレージ(外部記憶装置)最大手の米EMCを670億ドル(約8兆円)で買収することになった。米メディアが一斉に報じた。今年5月には半導体メーカーのアバゴ・テクノロジー(米/シンガポール)が、当時過去最高の370億ドルで同業の米ブロードコムを買収したが、それを大幅に上回り、ハイテク業界で最大の買収劇となる。

 EMCは仮想化ソフトで知られるVMウェア、暗号・セキュリティーのRSAセキュリティーを子会社として持つ。デルは今回の買収により、個人向けのパソコンから、より収益が見込めるサーバーやストレージ、セキュリティーといった企業向けのクラウドIT分野に事業をシフトし、IBM、HP、シスコ、オラクルなどを追撃する。EMCが80%の株式を持つVMウェアはニューヨーク証券取引所への上場を維持する方針。VMウェアだけで時価総額は340億ドルに上るという。

 デルは2年前に250億ドルをかけてマネジメントバイアウトを行い、非上場企業となっているが、その際にシルバーレイクが資金面で協力した。

 EMCはストレージビジネスがこの先縮小すると見ており、加えて株式の2%を取得したアクティビストヘッジファンドのエリオット・マネジメントからVMウェアを分離して株価を上げるようプレッシャーをかけられていた。今回の買収条件についてエリオット側も賛同しているという。一方、EMCはデルの前に、HPとも企業売却の話し合いを持ったものの、まとまらなかったとされる。

ニュースイッチオリジナル

COMMENT

藤元正
モノづくり日本会議実行委員会

デルの名前をあまり聞かなくなったと思ったら、日本円で8兆円の企業買収と大博打に打って出た。クラウド全盛でストレージの需要も伸びると一般には思われているが、調査会社によれば、汎用ディスクを自前で購入して安価にストレージシステムを構築するクラウド事業者も多いという。ベンダー同士の競争も激しく、従来型ストレージでは市場の伸びがあまり期待できないのだとか。USAトゥデイの記事には、「統合会社がHPにとって深刻な脅威になる」とフォレスターリサーチのコメントがあったが、市場競争はさらにヒートアップしそうだ。

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