国際月面探査コンテストで初の探査機打ち上げ契約、イスラエルチーム

米スペースXのロケットで、2017年後半に打ち上げ予定

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SpaceILが発表した探査機デザイン
 グーグルがスポンサーを務め、優勝賞金2000万ドルをかけて月面探査を競う「グーグル・ルナーXプライズ(GLXP)」コンテストの実施期限が2017年末に迫る中、挑戦する16チームのうちイスラエルチームによる初の打ち上げが決まった。

 ロケットベンチャーの米スペースXとロケット打ち上げの契約を交わしたのは、イスラエルの非営利団体である「スペースIL(SpaceIL)」チーム。ルーベン・リブリン大統領も参加し、7日にエルサレムで開かれた記者会見では、新しい探査機のデザインも発表された。米国から参加する「ムーン・エキスプレス」や「アストロボティック」もすでに打ち上げ契約を結んだと公表しているものの、契約内容などについて主催者であるXプライズ財団の調査を受け、承認されたのはイスラエルチームが初めて。スペースXの「ファルコン9」ロケットで2017年後半に打ち上げられる。

 参加条件として、残りの15チームも、2016年内に打ち上げ契約をXプライズ財団に承認してもらう必要がある。うちベンチャー企業のアストロボティックはスペースILと同じく、ファルコン9による打ち上げ契約をスペースXと締結。さらに日本から参加する「HAKUTO(ハクト)」はアストロボティックとの間で、同社のランダー(着陸機)「グリフィン」への探査機の相乗り契約を結んでいる。ハクトは今月6日、最新の月面探査車も公開した。

 一方、ムーン・エキスプレスは、ニュージーランドのロケットベンチャーでロッキード・マーティンが支援する「ロケット・ラブ(Rocket Lab)」と打ち上げ契約を結んだと先週発表。ロケット・ラブが開発を進める電気駆動の小型ロケット「エレクトロン」で探査機を打ち上げるという。

 スペースILの探査機は高さ、幅ともに約1.5メートルで、4本足のテーブルのような格好。スペースILが、もし月面着陸に成功すれば、イスラエルの宇宙探査機として初の快挙。民間による世界初の月面ミッションになる可能性もある。ただ、打ち上げには1000万ドル以上の費用がかかるという。

 賞金総額3000万ドルをかけて競うGLXPでは、ロケットで打ち上げた無人探査機が月面で500メートル走行し、期限の2017年12月31日までに、月面の探査データとともに高精細のビデオ・静止画の映像をいち早く地球に送信することが受賞条件となる。1位のチームには賞金として2000万ドル、2位には500万ドルが贈られ、そのほか、アポロ計画での着陸地点を訪れたりするとボーナス賞金がもらえたりするという。ただし、参加チームは費用についてその90%以上を民間資金でまかなわなくてはならない。

【参考記事】
日本発の宇宙開発ビジネス、羽ばたく
http://newswitch.jp/p/189

アウディが月面探査コンテスト参戦、独チームに技術協力
http://newswitch.jp/p/1154

ニュースイッチオリジナル

COMMENT

藤元正
モノづくり日本会議実行委員会
委員長

スペースILは二つの財団から新たな出資を得ることで、打ち上げ契約にこぎ着けたようだ。このコンテストに日本から唯一参加する「ハクト」にも何とか頑張ってほしい。

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