植物素材で雪山の環境を守るスキー・スノーボードワックス

成光工業が開発

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スキー・スノーボード用ワックスと開発中のホットワクシングコーター

植物素材で高い滑り性

成光工業(川崎市川崎区、松尾教弘社長、044・366・5855)は、環境に配慮したスキー・スノーボードワックス「G―SLIDE(ジースライド) WAX」を開発した。雪山の環境保護の視点から、多くのワックスに含まれ土壌への浸透などが懸念されている石油系パラフィンやフッ素を使わずに、高い滑り性を持つ。環境意識の高い海外市場への投入も視野に、次世代の業界標準を目指す。

さまざまな業界で環境配慮に対応する取り組みや製品開発が広がる中、国際スキー連盟(FIS)は2019年11月に20―21年シーズンからのフッ素スキーワックスの使用禁止を発表した。これを受け、世界各国でフッ素フリーワックスの開発を進めている。

その中で同社はフッ素に加え、環境配慮の面で今後禁止が要求される可能性を持つパラフィンに着目。従来、滑り性の実現にはパラフィンの方が高い性能を持ち、植物性油脂では代替が難しいとされてきた。そこに自社で活用を検討してきたセルロースナノファイバー(CNF)の分散技術を使い、CNF粉末(繊維状の粉末フィラー)を開発。これをアンカーとして使うことで、植物油脂のソール(滑走面)への密着性が向上した。

また、天然黒鉛のグラファイトフィラーにより、きめ細かく、滑走性を上げるパラフィンに近い滑り性を実現。これにより、全て植物由来の素材にこだわった機能性の高いワックスが完成した。

現在はワックスを塗布する際に使う専用ホットワクシングコーターなど、周辺製品の開発も進める。ホットワクシングという方法ではホットアイロンでワックスを溶かして塗布する。従来のアイロンで課題だった持ち運びの実現や工程の削減など多くの課題を解決できる。同製品もジースライドシリーズとして、ワックスとともに販売を進める。

今後は顧客のニーズを聞きながらワックスの種類を増やす。松尾社長は「競技者向けにさらに性能を上げていく」と気合を入れる。(川崎・大串菜月)

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