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博士人材に高年収のチャンス!ジョブ型採用の新マッチングサイト

epiST(エピスト、東京都新宿区、上村崇社長、03・6856・7722)は同一給与の新卒一括採用と異なる、ジョブ型採用の就職・採用マッチングサイトを立ち上げる。博士人材を中心に論文や学会発表など研究業績をベースとし、人工知能(AI)分野で高額年収でスカウトするといったことも可能だ。ゲームに仮想現実(VR)など多用するセガ、広告業界のセプテーニなどが、情報・コンピューター科学で求人を載せる。

エピストが19日にオープンするウェブサイト「博士のキャリア」は修士・博士課程学生と博士研究員(ポスドク)が対象だ。求人企業がジョブ型採用の内容を掲載し、求職者は研究概要や研究業績を記した個人ページから応募し、面接などに進む。企業からのスカウトもできる。

また求職者の異分野挑戦に向けて、コラム欄に企業内の博士人材のインタビューや対談も置く。例えば宇宙物理でロケット軌道計算をしていた研究者が、広告の予算配分を計算するアドテクノロジーで活躍するといった例の紹介などだ。デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム(DAC)の社員の紹介も予定している。

業務内容を確定した高給与の求人は、すでにAIやデータサイエンス、セキュリティーの高度専門職人材で出始めている。また同じAI人材でも事故の画像解析を手がけるメーカー、需要予測から購買計画を立てる商社や流通業などさまざま。

しかし求人ルートは、研究室の教員・先輩による研究職の紹介など限られていた。今回は特に企業の事業活動で、広くマッチングする。当初の求人企業は5社で、求職者は1年以内に5000人の登録を目指し、大学にアピールしていく。

日刊工業新聞2020年5月18日
山本佳世子
山本佳世子 Yamamoto Kayoko 編集局科学技術部 論説委員兼編集委員
新型コロナウイルスを機に将来は、採用時期や大学暦も変わってくるのではないか。つまり既卒に新卒が入り交じった採用通年化と随時入社、一方の大学は4半期毎の入学、卒業、留学といった多様化が、欧米のように進む可能性がある。これまで大学院以上の特殊な分野は、就活・採用がピンポイントだったが、今回の仕組みが有効なら大きく変わるだろう。この先陣を切るのは、博士人材に対する企業ニーズがうなぎ登りの、情報系を置いてほかにない。

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