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iPhoneとは一味違う100万〜200万円台の超高級スマホ、ヴァーチュが発表

英国の職人技が息づく外観デザイン、24時間コンシェルジュサービスも
iPhoneとは一味違う100万〜200万円台の超高級スマホ、ヴァーチュが発表

ヴァーチュのSignature Touch(同社のウェブサイトから)

 英ヴァーチュ(Vertu)から超高級スマートフォンの「シグニチャータッチ」が発表された。5.2インチ液晶ディスプレーにアンドロイドOS5.1など、技術仕様はほかのスマートフォンと大差ないが、外観やサービスが大きく違う。磨き込まれたチタニウムのボディを手縫いの本皮で覆ったシックなデザインに加え、カバーガラスにはキズや割れに強い130カラットのサファイアクリスタルを採用。ホテルのように顧客の様々な相談や要望に24時間体制で応えるコンシェルジュサービスも、これまでの12カ月より長い18カ月間、追加料金なしで提供されるという。10月16日に世界に向けて発売する。

 イングランド南部ハンプシャーにある工房で組み立てられ、1台作るのに最初から最後まで1人の職人が担当。子牛(黒・赤)、トカゲ(紫・黒)、ワニ(黒・ネイビー・グレー)の皮から色違いで選べ、価格は6500ポンド(約120万円)から。黒い子牛の皮をまとい、本体にゴールドのアクセントをつけた最上位モデルは200数十万円する。前のモデルの「シグニチャー」はバー型のいわゆる携帯電話だったが、100万〜300万円台の価格だった。

 プロセッサーにはクアルコムのスナップドラゴン810(RAM4ギガバイト)を採用。画面はフルハイビジョンの1920x1080ピクセルで記憶容量64ギガバイト。21メガピクセルカメラを搭載し、4Kビデオ録画、Qi(チー)ワイヤレスチャージによる無線充電も行える。本体裏側には翼を広げるように左右にフタが開くガルウイング式のスロットがあり、それぞれSIMカードと記憶容量を拡張するマイクロSDカードを入れられる。

 独自の機能としては、ロンドンシンフォニーオーケストラの演奏による着信音やアラートのほか、通話やメール内容を盗聴されにくくする暗号化通信など。万一端末を紛失した場合には、遠隔操作でロックをかけたり、スマホ側の情報を消滅させるサービスもある。
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藤元正
藤元正 Fujimoto Tadashi
iPhoneはともかく、ケースにゴールドを使った最上位のApple Watchだと200万円を超えるモデルもあるが、こちらはあくまで製品本体の価格。ヴァーチュは製品に加え、コンシェルジュやVIP向けイベントへの招待など、お金持ちの虚栄心をくすぐる心憎いサービスも用意している。やはり技術だけでは高級品になり得ない。日本はスマートフォンで国際競争に敗れ、かたや世界の富裕層が宿泊する超高級ホテルがないなどと言われているが、2020年の東京オリンピックを前に、世界のお金持ち向けに「おもてなし」の精神やサービスをさらに磨き上げ、ビジネスに組み込んだ超高級製品を出していってほしい。

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