地銀の起爆剤に!SBI「第4のメガバンク構想」が始動 

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SBIホールディングス(HD)の「第4のメガバンク構想」が本格始動する。地方銀行の収益性改善や地域活性化に向けた新会社を3月以降に設立する。島根銀行や福島銀行など、地銀との提携を拡大してきたが、北尾吉孝社長の戦略は新たな段階に入る。証券と地銀が組む動きが相次いでおり、野村証券や楽天証券も地銀との関係づくりを進めている。SBIの同構想が証券、銀行の枠を超えた成長への試金石となりそうだ。

ネット証券×地銀

新会社にはSBIグループが51%超を出資するほか、複数の金融機関も出資する見通しだ。新会社の傘下には、フィンテック(金融とITの融合)や地域活性化を後押しするサービスを提供する会社と、投融資を手がける会社がぶら下がる計画。厳しい経営環境が続く地銀のビジネスモデルの刷新を技術や資金面から支援する。

北尾社長が同構想を通じて重視しているのが、地銀の負担だったシステムの見直しだ。各行のシステムを一体的に運用するため、クラウドを利用した新システムの導入を目指す。安定稼働はもちろん、コストの大幅な低減につなげる。地銀がフィンテックのサービスを利用しやすくする仕組みも整えている。

証券業界では地銀との提携が増えている。野村は鳥取と島根の両県に店舗網を持つ山陰合同銀行、徳島県が地盤の阿波銀行と金融商品仲介でそれぞれ包括提携した。楽天証券も金融商品仲介で広島銀行などと提携した。SBIが同構想を通じて地銀の活路を見いだすことができれば、地銀との関係が新たな競争軸として浮上する可能性がある。

インタビュー/SBIHD社長・北尾吉孝氏「提携地銀の収益改善支援」

SBIHDの北尾吉孝社長に今後の展開を聞いた。(孝志勇輔)

―地銀との提携を拡大しています。

「(提携する地銀が)10行ぐらいまで増えるだろう。これまで金融商品仲介や共同店舗の展開などで地銀とつながりを作って信頼を得ており、一歩踏み込んで資本関係を築く」

―地銀には逆風が吹いています。

「提携相手には収益の改善とともに、技術力を重視する意志を持ってもらわないといけない。我々は地銀の収益力向上と地方創生への強い気持ちを持っている。慈善事業に取り組んでいるわけではない」

―新会社を設立する予定です。

「だいたい(設立で連携する)パートナーが決まってきて、準備を進めている。私は勝算が見込めないことには手を出さない」

―同構想によるメリットは。

「システムにかかるコストを大幅に下げられる。構想に参加する地銀はシステムの更新に合わせて、新システムを導入できる。(システムの)固定費を変動費に変えることが望ましい。また地銀に有利な技術をコストを抑えて提供できれば、構想に乗ってくる地銀が増えるだろう」

日刊工業新聞2020年3月10日

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