「IT企業との提携に前向き」とBMWの新CEO、実はアップルにラブコール?

一時は関係進展も、最強ブランド同士が手を結ぶ難しさ

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BMW「i3」(同社のウェブサイトから)
 BMWは、IT企業との深いパートナーシップを積極的に求めているーー同社の新CEOのハラルド・クルーガー氏が地元紙・南ドイツ新聞とのインタビューでこう明らかにした。ロイターが伝えた。

 これまでBMWの提携相手の筆頭とみられていたIT企業が、アップル。そこで同紙の記者が、「アップルと協力して自動車を製造することを過去に検討していたのか」「アップルをいまだに潜在的なパートナーと見ているか」と質問したところ、同CEOは、それには直接答えず、「一般的な言い方をさせてもらえば、BMWとアップルは非常に似ているところがある。両社とも強力なブランドの会社だ」と話したという。ただ、これは、遠回しながら、アップルに対するラブコールとも受け取れる。

 クルーガーCEOのこうした発言の背景には、両社の微妙な関係がある。昨年にはアップルのティム・クックCEOがBMWのミュンヘン本社を訪問。さらにアップルの複数の幹部がBMWライプチヒ工場の製造ラインで、BMWが先端技術を投入した小型電気自動車「i3」がどうやって作られているかをつぶさに見学するなど、提携に向けて関係が深まりつつあると見られていた。
http://newswitch.jp/p/1596

 だが、両社の求愛活動は昨年5月、クルーガー氏のCEO就任を機に中断する。しかも、アップルは実は自社単独で電気自動車(タイプの自動運転車)の開発を進める方針とも言われている。BMWも製造ノウハウの共有により、自動車分野に新規参入するIT企業の単なるサプライヤーになってしまうことを警戒し、提携の機運が弱まっていった。
http://newswitch.jp/p/1567

 こうした事態を打開するため、クルーガーCEOは「基本的にパートナー企業は両方とも協力することで利益を上げる必要がある。そうでなければ関係は長続きしない。さらに両社とも、たとえばデータセキュリティーなどの分野で同じ信念を共有する必要がある」と強調。今後を見据え、IT企業との協力は必須としながらも、あくまでバランスのとれた公平なパートナー関係の構築を訴えている。

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COMMENT

藤元正
モノづくり日本会議実行委員会
委員長

唯我独尊のアップルは自動車業界から有能な人材を次々と引き抜き、もしかしてBMWからは製造ノウハウをちゃっかり拝借しながら、自動車産業でも我が道を行くスタイルを決め込んでいるようだ。世界的な巨大EMSとはいえ、ホンハイとはあくまで下請け・元請けという関係なので、アップルとの補完関係が成り立つ。だが、それぞれの強力なブランドやプライドが邪魔して、BMWとアップルが手を結ぶのは容易ではないだろう。

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