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薬の飲み過ぎ・飲み忘れを検知するシステムの仕組み

UACJなど4社が開発
薬の飲み過ぎ・飲み忘れを検知するシステムの仕組み

薬の服用状況を一目で確認。飲み忘れも色で警告

UACJ、UACJ製箔(東京都中央区)、SAPジャパン(同千代田区)、ドクターズ(同港区)は、開封検知付アルミ箔(はく)を使用した服薬管理システムを開発、実証試験を開始した。錠剤を包装するPTP(プレス・スルー・パッケージ)に回路を印刷したアルミ箔シールを貼る。開封時のアルミ箔の破断を検知し、利用者のスマートフォンや薬局、医療機関に通知する。飲み過ぎや飲み忘れを防止する。2022年の実用化を目指す。

いつ薬を飲んだかが記録され、飲み忘れや飲み過ぎを防止できる。医療機関にも同様の情報が通知されるようにもできる。薬剤師から飲み忘れの連絡や、飲み過ぎ時の的確な行動を指示することも可能だ。

現在、クリニックに導入してもらい、実証試験中。20年には病院や介護現場、調剤薬局などに参加してもらい、2次実証試験を実施したい考えだ。

ドクターズの柳川貴雄社長は「残薬は医療現場で大きな問題となっており、処方調整によって削減できる薬剤費は3300億円にものぼると試算されている。まずはなぜ残ってしまうかを解明したい」と話している。

UACJおよびUACJ製箔が開封検知付アルミ箔の開発を、SAPジャパンがデータの収集、解析システムおよびユーザーからのフィードバックを取得するソフトウエアを提供する。ドクターズは医療従事者の意見の集約化などを実施する。

日刊工業新聞2019年11月18日

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