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批判根強い親子上場、電機業界で解消の動き活発に

東芝、3社にTOB

電機業界で親子上場解消の動きが活発になってきた。東芝は13日、東芝プラントシステムなど上場子会社3社を完全子会社化すると発表した。日立製作所も日立化成などグループ再編を検討する。少数株主との利益相反の恐れがある日本特有な親子上場への批判は海外中心に根強い。企業統治の透明性を確保し、名実ともにグローバル企業を目指す。

東芝は東芝プラントシステムとニューフレアテクノロジー、西芝電機にTOB(株式公開買い付け)を実施して完全子会社化する。株式取得費用は合計で約2000億円の見込み。残る上場子会社の東芝テックは今回の対象外となる。

2015年の不正会計をきっかけに経営危機に陥った東芝としては企業統治改革とともに、従来少数株主持ち分として東芝から外部へ流出していた一部の利益を取り込めるため経営再建にも資する取り組みといえる。

日立製作所もグループ再編の真っ直中だ。連結上場子会社の数は06年の22社から現在の日立化成と日立金属、日立建機、日立ハイテクノロジーズの4社まで減らした。グループを挙げて注力するIoT(モノのインターネット)共通基盤「ルマーダ」との親和性を基準に、さらなる子会社売却の検討に入る。

特に素材系の日立化成と日立金属は半導体市況などによる業績変動が大きく、日立製作所の連結業績を不安定化させる要因となっている。業績変動を嫌う経営者の心理も上場子会社解消へ向かう動機付けとなりそうだ。

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