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通勤・執務が楽になった、不動産大手「自由な服装」通年採用へ

東急不動産、社員の9割継続希望
通勤・執務が楽になった、不動産大手「自由な服装」通年採用へ

カジュアルながら好印象を持ってもらえるスタイルを模索する

 東急不動産は業務に適した装いを自由に選べるように改めた服装規定を、2020年4月末まで延長して試行する。新本社への移転を機に夏季限定で導入したが、社員の9割が継続を希望している。取引先など社外からも好評だったことから、通年での運用を視野に期間を延長することにした。動きやすい靴や服装を取り入れることで健康増進につなげるとともに、自由な雰囲気を醸成し活発なコミュニケーションを促す。

 新たに秋・冬の服装規定を定めた。クールビズに対応した夏の規定を踏まえ、スニーカーやウオーキングシューズ、ジーンズやカジュアルなジャケットを組み合わせた着こなしを認める。

 一方、スエットやジャージー、帽子類、派手な柄のシャツや丈の長いワンピース、執務中のサンダルやブーツなどは選べない。TPOに応じて、ネクタイや襟付きシャツ、ニットやカットソーの着用を求める。

 同社は8月に、旧本社など4棟を一体で建て替えた「渋谷ソラスタ」(東京都渋谷区)に本社を移転。ソファ席や豊富な緑、おしゃれな内装などを取り入れ、オフィスを供給するデベロッパーとして追求した“理想のワークプレイス”を体現した。ここに自由度が高まった服装が加わり、社員は「職場の雰囲気が明るくなった」と好感触を示す。「通勤や執務が楽になった」との声も目立つ。

 社外に対しても、例えばアパレル業界と接する部門では「スーツで訪問すると微妙に浮くことがあったが、解消した」と明かす。ただ「単に服装の自由度が広がっただけという印象も受ける」(担当者)。少数ながら規定にそぐわない格好の社員が見られることもあったとして、改めてビジネスに適した服装を選ぶよう徹底。カジュアルながら、好印象を持ってもらえるスタイルを模索する。

日刊工業新聞2019年10月24日

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