世界で人気、三菱電機が開発した点検ロボットの正体

主要拠点に配備へ

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三菱電機が開発した発電機用薄型点検ロボ
 三菱電機は2020年度をめどに、世界の主要拠点に発電機用薄型点検ロボットを配備する。従来は国内から各拠点に貸し出していたが、最長1年待ちとなるほど顧客企業の点検ニーズが多いことに対応する。電力業界を中心に短期で高精度な点検への需要が当初の想定以上にあった。こうした需要に迅速に対応することで、既存電力インフラの安全・安心を側面から支える。

 三菱電機が2017年に開発した発電機用点検ロボットは、現在までに累計約100カ所で点検を受注している。これまでは数台のロボットを日本から各拠点へ貸し出していたが、ロボットの保有数を増やして米国や中東、台湾、韓国、インドネシアに順次配備する。同社は全世界で火力と原子力、水力向けの発電機を累計2700台以上納入した実績がある。

 この点検ロボットは厚さ19・9ミリメートルと薄型なのが特徴で、従来必要だった発電機の回転子を引き抜かずに固定子と回転子の隙間を走行して損傷や不具合を確認できる。同社製の中・大型発電機の全機種に対応する。回転子を引き抜く従来の点検作業は1カ月以上かかるが、点検ロボットを使えば6日間で済むという。電力会社などにとって発電所の停止期間を短くし、点検コストも削減できる利点は大きい。

 また、ロボットは2種類のカメラを搭載し、目視点検に使っている。今後、点検作業をさらに多くこなせば画像や打音データの蓄積も増える。顧客の協力を得ながらビッグデータを活用した発電機の故障予兆診断や予防保全などのサービス開発につながる可能性がある。

 世界各国で老朽化の進む発電設備を維持する保守・点検の効率化は、同社の電力システム事業にとって新たな商機となりそうだ。

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