研究領域の開拓へ、文科省が科研費に新種目

2020年度に「学術変革領域研究」を新設

 文部科学省は科学研究費助成事業(科研費)の種目のうち「新学術領域研究」を見直し、2020年度に「学術変革領域研究」を新設する。新たな研究領域を異分野のグループで開拓するのに、45歳以下の研究代表者が数グループを率いる小規模編成で効果を高める。日本の科学技術力強化に重要な分野融合と若手・中堅支援の強化を織り込んで、科研費の20年度予算の概算要求は2556億円を計上する。

 学術の新領域をグループで生み出す種目として従来は新学術領域研究があった。これは領域代表者の下に、研究室主宰者(PI)8―10人の各グループが、個別の研究計画を持って参加し、途中で公募研究を追加して拡大する仕組みだ。1領域年2億―3億円程度で5年間、支援する大規模なものだった。

 しかし「最初は小規模な方が効果的だ」との意見を受けて見直した。新設の「学術変革領域研究(B)」は、従来の種目に先立つ初期の挑戦と位置付ける。領域代表をはじめ、連携するPI3―4人のうち過半数が45歳以下という条件で、3年にわたって支援する。

 「同(A)」は従来の仕組みを後継するが、PI2人程度を45歳以下にし、公募研究の予算比率を10%から15%に高める。19年度の新学術領域研究の新規採択は18件。20年度は(A)(B)それぞれ20件程度を見込んでいる。

日刊工業新聞2019年8月30日

山本 佳世子

山本 佳世子
08月30日
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「研究分野のボスにすり寄って研究費を分けてもらう」といった表現を耳にすることがある。これまでの新学術領域研究のスタイルだと、そうなりがちなのかと振り返った。確かに目的が新領域の開拓なのであれば、自立した少数のPI同士が分野を超えて、熱い議論を展開して切磋琢磨するスタイルがふさわしい。概算要求で学術変革領域研究(B)は、同(A)よりぐっと大きな額になっている。後継として(A)があるといっても、それに惑わされず、新設種目としてその狙いを汲み取ってほしい。

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