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孫さんが語った、“スマホの向こう側”

「テレパシーの時代が来る」
「電車の乗客の9割はスマートフォンを見てうつむいている。孫さん、何とかしてくれないか」―。ソフトバンクの株主総会で高齢の株主から出された要望に対し、孫正義会長は「スマホの向こう側にいる友人とつながっている。スマホ画面の向こうに世界が広がっている」と諭した。

 21世紀はスマホを使って便利になってきた時代。スマホを開けば利用者が興味を持ちそうなニュースのタイトルが並び、友人のツイートも読める。タクシーの配車もコンビニエンスストアでの支払いもできる。孫会長は「想像するだけでさまざまなことができるテレパシーの時代が来る」と予測する。

 だが、便利すぎる故の欠点もある。サッカーの南米チャンピオンを決めるコパアメリカの日本対エクアドルの試合結果を知りたくもないのにスマホで知ってしまったからだ。

 この試合は午前8時開始。帰宅後にゆっくり観戦しようとスマホでニュースサイトを一切開かなかった。だが、帰宅の通勤電車を待つ列の前に並んだ若者のスマホ画面が偶然視界に入り、結果を知ってしまった。

 来年には東京五輪が始まる。マラソンの開始は早朝だ。孫さん、特定の試合結果を設定時刻まで知らないで済むシステム作りませんか?

日刊工業新聞2019年7月11日

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