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まるで木造、コンクリ打設用型枠を活用した新工法

福岡技研工業が開発
まるで木造、コンクリ打設用型枠を活用した新工法

柱や梁などに木材を活用して木造建築物に近い内観を実現した

 福岡技建工業(福岡市博多区、迫野譲二社長、092・503・6158)は、コンクリート打設で使った型枠を建築物に活用する工法を開発した。鉄筋コンクリート造の耐火性や遮音性を持ち、木造に近い見た目の内装となる。工期短縮にもつながる。中小のハウスメーカーとの技術提携を進め、年間50棟の受注を目指す。

 工法は基礎を立ち上げた後に木材の柱や梁(はり)、桁などを組み、シージングボード(発泡合成樹脂板材)を内側の型枠として取りつける。外側の型枠は専用金具で固定することで従来工法と同様にコンクリート打設が可能となる。

 打設後は内側の型枠は外さずにそのまま利用する。柱や梁などが残るため建物内部が木造建築物のような見た目になる。

 同様の流れで下階部分から上階部分へ工事を進め、建物全体を構築する。構造は鉄筋コンクリート造となるが、内部に木材や型枠を活用して断熱性の低さや結露が出やすい弱点を補う。

 従来の鉄筋コンクリート造の場合、型枠に仮設材を使用することで打設後に取り外しの手間がかかり、工期が長引く要因となっていた。強度や遮音性など鉄筋コンクリート造の特性を持ち、木造建築物の住み心地を求めるニーズに応える。

 工法は地場のハウスメーカーとの提携などで全国に広げていく。既に複数の建築案件を受注しており、今後は一般住宅や5階建てまでの低層マンション、介護施設などで需要を見込む。
日刊工業新聞2019年3月27日

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