福岡の中小企業が元気なワケ!

「ものづくり補助金」採択が力強い後押しに

 「発注先からの信頼が増し評価が高まった」「地場産業伝承への新たな可能性が広がった」「コスト削減、作業員の負担軽減につながった」。こう胸を張るのは、国の補助事業「ものづくり補助金(通称)」に採択された福岡県の中小企業経営者ら。生産性の向上や新製品開発、新サービスの開発・提供に優れた成果をあげ、地域のリーディング・カンパニーとしての成長に期待が高まっている。

 中島ターレット(岡垣町)の中嶋英二郎社長は「生産の効率化と納期短縮に弾みがついた」と強調する。産業用ロボット市場の拡大に対応してロボットアームの加工工程を見直し専用治具も開発。業容を拡大して勢いに乗る。

 最新の曲げ加工機を導入したのはナダヨシ(古賀市)。植木剛彦社長は「曲げ総加工時間を2割程度削減し、高効率の加工システムが構築できた」という。

 自社が抱える課題を解決し、細かな顧客ニーズに応える生産体制へのシフトや他社に先駆けた競争力の強化が中小企業の成長には何より欠かせない。力丸鋼機(岡垣町)はプラズマ切断機を導入した。「単なる切断にとどまらず、製缶、孔開けまで一貫して行う体制を築き、顧客へ加工提案にも自信がついた」(力丸信昭社長)と誇らしげだ。朝日化成(嘉麻市)は真空成形品(プラスチックトレー)用の木型生産時間を効率化し多品種少量生産を強化した。

 板金加工を得意とするナサ工業(須恵町)も生産現場の声を吸い上げ、高精度条鋼加工機を導入。「品質向上だけでなく社員の負担軽減につながった」(長澤敏光専務)と働き方改革を意識した現場改善に手ごたえを感じている。

 地場産業の伝統を守り続けるため、生産性向上に取り組む企業もある。花ござメーカーの松正(柳川市)だ。最新の自動織機を導入し自動化を強化したことで生産性を向上した。安価な中国製が流通する一方で「日本製の強みをいかした付加価値の高い製品をつくる」(松永正晴社長)と国産の巻き返しに意欲を燃やす。

 消費者の安全・安心の高まりを受けた食品産業でも改革は進んでいる。パン・菓子などの製造販売を手がける大福商事(大牟田市)は国際的な食品衛生管理基準「HACCP」の厳格化に対応して、最新のパン包装機を導入した。「今後さらに高いレベルが食品業界には求められる」(江戸健二郎社長)といい、継続的な設備導入の必要性を訴えた。

最新のパン包装機を導入した大福商事


支援機関がPR動画を制作し応援


 戦後2番目の長さとなった今回の景気拡大。ただ足元は米中貿易摩擦の行方や人口減少による人手不足などの懸念はある。特に人手不足は大手・中小を問わず企業経営に大きな影を落とし始めた。とはいえ設備投資、個人消費の伸びを中心に緩やかな拡大が続く九州経済。確かな景気の実感をつかむためにも、地域を浮揚させる企業の成長からますます目が離せない。

 ここで紹介した企業事例は、ほんの一部にすぎない。 福岡県中小企業団体中央会は、ものづくり補助金採択企業15社の成果をまとめたPR動画と事例集を制作した。販路開拓や事業化を力強く後押しするとともに、地域産業の活性化につなげるのが狙いだ。PR動画はWebサイトや動画投稿サイト「ユーチューブ」から閲覧できるほか、県内外に配布する事例集にDVDを付属する。

 福岡県中小企業団体中央会は「成果をいかに普及させるかが重要」といい、東京や福岡で開催される展示会への出展支援をはじめ、事業者間連携、海外進出のための支援に一層、注力する考えだ。

15社成果事例ホームページURLアドレスは以下の通り。
ONE STEP TO THE FUTURE:ふくおかものづくり補助金成果事例集

成果事例15社の紹介動画一覧はこちら
ふくおかものづくり補助金成果事例紹介

  

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