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ぐるりと曲がった1本アームの不思議なロボット

狭い場所での作業、高精度に自動化
ぐるりと曲がった1本アームの不思議なロボット

リシンク・ロボティクスの新型ロボット「Sawyer」(同社のウェブサイトから)

 米ロボットベンチャーのリシンク・ロボティクスは、産業現場向けの協働ロボット「ソーヤー(Sawyer)」を開発した。複雑に折れ曲がった1本の7軸アームを備え、設置面積が小さいことから、通常のロボットでは稼働が難しいような狭い場所でも、アームを潜り込ませて細かい作業ができる。部品の加工機への搬送・取り出しといったマシンテンディング作業、プリント基板のテストなどのほか、電子機器組み立てラインでの精密作業に向くという。

 2012年に投入された同社の双腕ロボット「バクスター(Baxter)」と同様、ロボットの「顔」をアニメーションで表示した液晶モニターを搭載。顔の向きでロボットがどの方向の作業を行っているのか、さらにその表情で作業がうまくいっているか手こずっているのかを判断できる。さらに、人間がアームを手にとって動かすことで作業を教え込むこともできるのも、バクスター譲りだ。
 
 関節部分にハーモニックドライブの減速機を搭載し、バックラッシュ(がたつき)を除外するなどして、バクスターに比べ高速、高精度の動作を可能にした。本体重量19キログラムで、可搬重量4キログラム。アームのリーチ範囲は1026ミリメートル。頭部とアーム手首の計2カ所に米コグネックスのマシンビジョンが組み込んであり、コグネックスのバーコードリーダーや物体認識機能にも対応可能。価格は2万9000ドル。今年の夏以降のリリースを予定し、北米のほか、欧州、中国、日本でも販売する計画。

【動画】
https://www.youtube.com/watch?v=S4mULTknb2I
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藤元正
藤元正 Fujimoto Tadashi
一見、中国雑伎団みたいと思ったが、製造現場で人間離れ(ロボット離れ?)したワザが期待できるかも。

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