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“お茶の間”が消えた

スマートフォンの普及で個人志向が強まっている
 野村総合研究所は「生活者1万人アンケート調査」の結果をまとめた。それによると、情報端末の利用時間が増えて、夫婦や家族の間でも互いに干渉しない個人志向が強まっている実態が明らかになった。家族が時間・空間を共有する「お茶の間」が消失し、自分の端末に向かって時間を過ごす家族が増加する傾向がうかがえる。

 スマートフォンの個人保有率は、2012年の23%から15年の52%、18年の71%へ増加した。平日のインターネット利用時間(仕事での利用を除く)がこの3年間で103分から119分へと増加。その一方で、テレビの視聴時間は若年層を中心に減少しており、全体では151分から145分へと減少した。

 また、家庭の収入に関する質問には、「家庭の収入がよくなる」と考える人は、15年と同水準の11%。「悪くなる」と考える人は、24%となった。09年と12年が42%、15年が30%だったが、収入の見通しはやや好転している。

 今後1年の景気の見通しについては、12年には「悪くなる」と考える人が40%いたが、15年には22%、18年には19%へと減少している。「どちらともいえない」は12年の54%から、15年には66%、18年には69%へと増加し、景気の見通しについて様子見の傾向が強まっている。生活者全体として、この3年で経済環境の悪化は感じていないもの、先行きに対する安心感は得られていない状況が分かった。
          
日刊工業新聞2018年11月8日
日刊工業新聞記者
日刊工業新聞記者
幼い頃はいわゆる“テレビっ子”でしたが、スマートフォンを持ち始めてテレビを見る時間が減った気がします。誰かと過ごしていても、お互いスマートフォンを触っていることにそこまで抵抗を感じません。

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