学長リーダーシップの経営改革、選ばれた国立大学は?

名大・岐阜大の統合など

 文部科学省は国立大学の補助金をリニューアルして始めた「国立大学経営改革促進事業」で地域型に北海道の3大学、名古屋大学・岐阜大学の二つの統合案件を選んだ。世界最高水準型は名大・岐阜大の重複に加え東北大学、東京大学、京都大学と四つの指定国立大と、筑波大学、九州大学で決まった。学長リーダーシップによる経営改革の先進モデルとして、最大4年間を支援する。

 小樽商科大学、帯広畜産大学、北見工業大学は商・農・工の単科大学の連携で相乗効果を出す改革の好例だ。22年の「北海道連合大学機構」(仮称)創設に向けて経営改革、分野融合の連携教育、産学官連携、遠隔教育の先端システムそれぞれの行程を明示した。名大は統合による「東海国立大学機構」(同)計画で大幅な財政基盤強化を掲げた。

 指定国立大は6大学のうち、東京工業大学と大阪大学を除いて選ばれた。指定に向けて構築したプランを実現する予算として、同事業に期待がかかる。

 筑波大は体育と芸術の分野を持つ特色を活用。スポーツ部活動を正規教育に位置付けるため新設した「アスレチックデパートメント」に力を入れる。九大は次世代の人材育成を重視。研究者育成のための人事給与マネジメント改革を挙げた。

キーワード/国立大学経営改革促進事業


Q どのような位置付けの事業なのか。

A 文部科学省高等教育局の予算で国立大向けを見てみよう。国立大の活動を支える基本は「運営費交付金」約1兆1000億円だ。これに対して今回の事業で用意される「国立大学改革強化推進補助金」40億円は、学長主導の改革後押しとして重要だ。後は国立大の施設整備費と、国公私立を問わない複数の大学支援事業となる。

Q 国立大の経営改革の予算は他にもあった気がするけれど。

A 名称は新しくない。以前は若手支援など多様な項目があったが、2018年度にリニューアルして一本化した。文科省ホームページには採択案件の概要図に計画調書の文面、応募全19件へのコメントまで掲載され、改革推進の気合が入っているよ。

Q 国立大の統合検討はほかに2件が表立っているよね。

A 静岡大学と浜松医科大学は応募するも選ばれなかった。浜松地区は静岡大の工学部、情報学部があり医工連携にぴったりだが、「静岡地区はメリットが見えない」とされた。奈良女子大学と奈良教育大学は構想から日が浅く、本年度の申請は見送られた。

日刊工業新聞2018年11月1日

山本 佳世子

山本 佳世子
11月02日
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「4件で一区切り」と国立大の統合検討事案について、文科省幹部は口にする。次の案件は耳にしていないという。先の中央教育審議会での議論に反応して、アンブレラ方式の国立大学統合を打ち出したこの第一陣の4件も、指定国立大も、これに限った支援の資金は用意されていない。そう考えるとこの改革補助金の重要性が理解できそうだ。

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