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LIXILがRPA導入拡大に一手、開発可能な人材3倍以上に

現場主体で適用
LIXILがRPA導入拡大に一手、開発可能な人材3倍以上に

来年3月までに700人をRPA研修に参加させる

 LIXILは、RPA(ソフトウエアロボットによる業務自動化)導入の適用範囲拡大に向け、必要なスキルを持つ人材教育の規模を広げる。2019年3月までに700人をRPA活用を学ぶ社内研修に参加させる。併せてRPAの業務導入に向け、RPAの開発が可能な人材を155人から500人に増やす。専門のIT部門担当者ではなく、現場が主体でRPAを適用していく。現場主導でグループ全体の生産性を高める。

 LIXILは6月にRPAを導入した。生産現場やマーケティング、関係会社などの在籍者30人がRPAの仕様を整え、一部業務に適用した。例えばインターネットで情報を検索して表計算ソフトウエア「エクセル」に情報を取り込み、それをメールで送信といった、単純作業をRPAで自動化している。

 RPAの適用拡大に向け現場側の人材から希望者を募る。希望者は社内研修に参加後、RPAを業務に導入するために必要なスキルを学び、検定試験を受ける。

 現場側からの適用拡大を重視し、費用対効果が小さい業務内容でも現場側の労働負荷が低減できるような業務へのRPA適用を早めることを狙う。月に2時間程度と、ちょっとした作業時間の低減が見込めるような業務でもRPAを採り入れる。

 RPAの稼働管理のため、どの業務にRPAを使ったかなどを把握するデータベースを作り、全体で共有する。利点が大きな採用事例を他部署でも採用しやすくなるよう、情報面からも促す。ただ、RPAの適用に向けた効率的なアドバイスや機密ランクに応じた暗号化のルール、内部統制については情報システム本部が一元管理するという。
日刊工業新聞2018年10月10日
葭本隆太
葭本隆太 Yoshimoto Ryuta デジタルメディア局DX編集部 ニュースイッチ編集長
RPAを導入する企業がどんどん増えています。一方で、企業は仕事手順などにRPAを対応させるため、カスタイマイズが必要で、この人材がいないことが導入のネックになることがあると聞きます。各現場の仕事手順に対応させるためには、LIXILのようにIT部門担当者ではなく、現場主体の適用が必要ということでしょうか。

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