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“スマートシティ会津若松”の今。ICTで150年先のまちづくりに挑戦

IoT・ICTフェアを開催(11月2日・3日)
“スマートシティ会津若松”の今。ICTで150年先のまちづくりに挑戦

500人が就業できる会津若松市のICTオフィスビル(完成イメージ)/写真提供:AiYUMU

 戊辰戦争から150年、歴史の表舞台となった福島県会津若松市では、NECや富士通、米インテルなど大企業と連携し、情報通信技術(ICT)を起爆剤とした先端ビジネスの普及に乗り出した。

 IoT(モノのインターネット)で市民の健康づくりを支援する実証事業には、GEヘルスケア・ジャパン(東京都日野市)、クックパッド子会社のおいしい健康(東京都中央区)など15社以上が参加。自治体や病院、様々な企業が共同で利用できる安全なオープンプラットフォーム(ヘルスケアIoT基盤)を構築し、多様なデバイスやデータ、サービスが連携することによる新しいサービスの創出の場を目指す。

 市と連携するアクセンチュアが代表提案し、総務省のデータ利活用型スマートシティ推進事業に採択されたポータルサイト「会津若松プラス」は、地元企業が参加する協議会が15年末から運営。登録すると個人用ページが用意され、属性に合った情報を届ける。例えば、子育て中の利用者には児童手当の情報が目立つ位置に表示されるなど、情報を届けるポータルサイトへ市民がアクセスしやすくし、一人ひとりに必要とされる情報を配信することで利用者人口を3%から20%に増やす。LINEやグーグルなどのIDでも利用できるようにして“入り口”を広げ、情報発信の比重をホームページからポータルサイトへ移し、運営を広告収入で自立できるようにする。市民向けに開発したアプリケーションソフトもポータルサイトから利用できるようにする。

 また同市は、データを解析して新サービスを生み出すアナリティクス産業の育成を進める。企業には街を実証の場として提供し、開発したサービスを地域産業の活性化にもつなげる。IoT(モノのインターネット)を使って収集した公用車の走行情報などのビッグデータを市が開放し、これまでに企業などが43のアプリを開発した。同市は情報通信技術(ICT)を活用した地方創生に取り組んでおり、技術実証から実用化の段階に入っている。

 こうした取組みを広く全国に発信するため、会津若松市では11月2日、3日の2日間、会津大学を会場にIoT・ICTフェアを開催する。テーマは「150年先の街づくり、会津若松市の挑戦」。首都圏のICT企業をはじめ、県内外から幅広く来場者を呼び込むことで交流人口の増加を図り、「スマートシティ会津若松」を直感的に体験できる仕組みを構築する。

 初日となる2日は、中小企業庁次長の前田泰宏氏と総務省大臣官房総括審議官の安藤栄作氏が基調講演、日本IT団体連盟専務理事の別所直哉氏と会津大学理事で産学イノベーションセンター長の岩瀬次郎氏がセミナーを行う。3日は、会津大学客員准教授の藤井靖史氏と慶應義塾大学特任准教授の若新雄純氏が公開ディスカッションするほか、会津大学の学生や先端ICT企業の技術者が30名程度登壇し、「おススメライブラリー・OSS」をテーマに5~7分間の短いプレゼンテーションを行うLT(ライトニングトーク)を開催する。

 また、2日間を通じて先端IoT・ICT技術を展示し、スマートシティ会津若松の取組事例を紹介。展示企業は会津ラボ、アクセンチュア、ウェブレッジ、エフコム、京セラコミュニケーションシステム、コー・ワークス、Cyber Robotics LLC、シマンテック、TIS、チェンジ、東日本電信電話株式会社など20社程度を予定している。企業・大学・事業者の情報交換の場を設けることで市内へのICT企業の誘致を図り、市民生活の効率化や若者の定住促進につなげたい同市の取組みは、150年先を見すえた地方創生のモデルケースとして注目されるところだ。

イベントの詳細・申し込みはこちらから
http://www.aizu-iotict-fair.jp/


イベント名称:IoT・ICTフェア ~150年先の街づくり、会津若松市の挑戦~
会    期:平成30年11月2日(金)13:00~16:00
       平成30年11月3日(土・祝)10:00~15:00
会    場:会津大学(福島県会津若松市一箕町大字鶴賀字上居合90)
お問い合わせ:株式会社ミンナノチカラ(TEL:0242-85-6274 FAX:0242-85-6514)




日刊工業新聞記者
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